「ボランティア参加者に教員採用試験で加点方針」という愚策:大阪市

 大阪市は8月30日、子どもの貧困に関する担当者らの対策会議で、市の教員採用試験に際して、子どもの居場所などに関するボランティアに参加した受験生への加点の仕組みを作る方針を提案した。

 加点対象となるボランティアの詳細は、今後細部を詰めるとしている。

 しかしこんなものは「問題外」レベルの愚策である。無償での自発的活動であるはずのボランティアで、加点という見返りや証明書取得目的に、やる気のない人物が大量に殺到して、受け入れ側の運営者も混乱し、やる気のあるスタッフは足を引っぱられ、利用者にとっては迷惑な存在ということにもなりかねない。

 毎日新聞の記事では、有識者から以下のような懸念が示されている。

 市の方針について、山縣文治・関西大教授(子ども家庭福祉学)は「ボランティア活動の目的が、採用試験で加点してもらうための証明書取得にならないか懸念がある。(加点の)対象を限定し過ぎるべきでない」と指摘している。

(毎日新聞2017年8月30日『<大阪市>教員採用試験、学生ボランティア加点へ』)

 その一方で吉村洋文大阪市長は、ツイッターで以下のように反論した。

 しかし吉村市長の言い分は当たらないことは、過去の多くの事例が証明している。

 大災害の時にボランティアを単位認定する扱いした大学では、被災地に単位目当ての学生が大挙して押し寄せ、自発的な意欲を持った活動ではないので現場が混乱した話も聞く。

 また国レベルでも、教員免許取得に介護等体験を義務づけたことで、教員免許取得の一環として介護施設などが学生の受け入れをすることになった。大半は教員免許取得目的の義務だから特に興味はなく、受け入れ側の負担や現場の混乱にしかなっていないことも指摘された。

 ボランティアを「義務」や「見返り」にすると、こういうことが起きる。大阪市でも似たようなことが起こるのではないか。