2017年度全国学力テストの結果が公表される

 全国学力テストの結果が、8月28日に公表された。

 文部科学省は2017年度より、都道府県別の平均点を整数単位で四捨五入する方法に改めた。しかしそれでも、順位はどうかとか、自分の県の平均点は全国平均と比較してどうかなどのからの取り扱いが目立つ。

 また2017年度から、政令市の平均点も出すようになった。都道府県比較だけでなく政令市ごとの地域比較も増えたことになる。

 全国学力テストの導入の経緯自体が、各学校・各地域の競争と序列化を図ったものである。

 教育行政として大まかな傾向を知りたければ抽出調査でも十分だし、一人一人の子どもの到達点を把握するなら校内テストでも十分である。現行の全国学力テストでは、教育行政としての資料としても、一人一人の子どもの到達点をつかむにしても、いずれも中途半端なものになっている。

 テストの平均点や順位は、一人一人の子どもの到達点とは関係が薄いし、また学校や地域の「格」でもない。

 しかし平均点や順位だけを絶対視する風潮が強まり、その間違った考え方を押しつけて騒ぐような者が目立つようになった。

 そのことで、通常の授業をつぶして、過去問や類題をひたすら解かせて解答を解説するようなテスト対策の授業をおこなう事例が報告されるなどの「テスト対策」が横行するなどした。その結果「県別平均点の差が縮小」「学力の底上げが進む(実際は、学力ではなく平均点の底上げ)」などといわれても、ある意味必然的としか思えない。テスト対策によって、全体的な傾向・子ども一人一人の到達状況の両方ともわかりにくくなっているという例である。

 学力は「特定のテストで、出題傾向を踏まえた正答をすること」だけの意味ではない。学力はもっと幅広い概念である。

 おかしな実態を生み出している現行の全国学力テストは、廃止すべきである。少なくとも、教育行政として全体の傾向を知る資料としての調査として抜本的に生まれ変わらせ、抽出調査や平均点公表の廃止などの策をとるべきではないか。