森友学園問題:大阪府補助金不正受給疑惑、前理事長ら逮捕

 一連の森友学園問題について、同学園が経営する塚本幼稚園(大阪市淀川区)が大阪府に申請した幼稚園運営補助金に不正があったとされる問題で、大阪地検特捜部は8月21日、籠池泰典前理事長・前園長と、妻の籠池諄子・前副園長を詐欺と詐欺未遂の容疑で再逮捕した。

 今回の逮捕容疑となった補助金不正疑惑問題については、大阪府の「私立幼稚園経常費補助金」と「特別支援教育費補助金」の2つの補助金が対象となっている。

 私立幼稚園経常費補助金については、幼稚園の専任教員数に応じて府からの補助金が交付される仕組みである。系列保育園の園長を兼務していた籠池諄子前副園長を「専任」として記載するなど、兼務者や勤務実態のない人物を専任教員名簿に掲載する形で水増し請求し、2014年度~17年度に計2198万円を過大に支給させてだまし取った容疑がもたれている。

 また特別支援教育費補助金については、障がいやアレルギーなど支援を必要とする児童を受け入れると、支援のために必要な人件費や施設整備費用などが補助金として支給される仕組みとなっている。補助金の額は、児童数に応じて加算される。大阪府に提出する資料を改ざんし、2012年~16年に計7056万円を過大に請求し、2017年までに計約2273万円をだまし取ろうとした容疑がもたれている。

 特別支援教育費補助金については、大阪府の制度のほか、大阪市にも府の制度とは別に同種の制度があり、同様にだまし取った疑惑がもたれているが、今回の逮捕容疑は大阪府の制度に関するものであり、大阪市の制度に関する部分は今回の逮捕容疑には含まれていない。

 大阪地検特捜部は、容疑について、籠池夫妻の認否を明らかにしていない。

 一方で籠池氏側は逮捕前、マスコミ取材などに対して「事務上の手違い。故意ではない」とする見解を述べていた。

 大阪府は詐欺容疑で籠池夫妻を刑事告訴し、府の補助金審査手続きについては「性善説に立っていて見抜けなかった」と、一貫して被害者ぶっている。

 しかし特別支援教育費補助金については、他の幼稚園より受け入れ人数が桁違いに多いなどの、書類上明らかな不審点もあった。また幼稚園での、園児への虐待まがいの行為や保護者への不適切な対応などへの苦情も相次ぐなどしていた。「障がいを持っている園児が、うちでは面倒を見れないとして退園を迫られた」という証言もあった。

 性善説以前の話で、幼稚園をめぐるおかしな情報も多数寄せられていた背景から、立ち入りなどを含めた実態調査をする機会はあったのではないか。

 また松井一郎大阪府知事や府政与党の大阪維新の会が、塚本幼稚園の「教育勅語」などの教育方針を持ち上げていたことや、塚本幼稚園の方針を発展させる形で私立小学校「瑞穂の國記念小學院」を新設する構想に大阪府が異例の便宜を図っていたことなども、塚本幼稚園での補助金不正問題に影響を与えたのではないか。

 事件を籠池夫妻だけの責任に矮小化させてはならない。籠池夫妻の責任と同時に、大阪府の責任も問われるべきである。

(参考)
◎籠池前理事長夫妻を再逮捕=府補助金9200万円詐取容疑-森友学園事件・大阪地検(時事通信 2017/8/21)
◎補助金審査に甘さも=大阪府「性善説」が裏目-虚偽申請見抜けず・森友学園事件(時事通信 2017/8/21)