義務教育完全無償化を目指す和歌山県太地町:読売新聞が記事に

 読売新聞2017年8月19日付(ウェブ版)が『クジラの恵みで福祉充実、教育完全無償化の町』の記事を掲載している。

 捕鯨の町として知られる和歌山県太地町。町と中国企業との間で、鯨の供給や捕鯨の技術などに関する包括協定が結ばれた。それによって得られる財源の一部を活用する形で、義務教育費の完全無償化を進める取り組みをおこなっていることが紹介されている。

 太地町では2016年度より、町内の小中学校で使用する計算ドリルや楽器・辞書などの教材費を無償にした。さらに給食費や修学旅行費なども無償化の方向で検討している。

 義務教育の「無償化」の範囲については、法解釈としてはいくつかの有力説があるようではある。一方で、教科書国庫負担請求訴訟の最高裁判決(1964年)によると、憲法で想定されているのは「授業料の無償化」にとどまっている。その他の教材などの諸経費の無償化については憲法上の規定の範囲外だが、保護者の負担軽減については立法政策として解決すべき問題としている。

 現行の行政では、最高裁の判例に沿った運用がされている。義務教育の教科書の無償化(教科書代金の国庫負担)については国の法律で方針が出されたものの、それ以外の教材などについては、各自治体ごとに就学援助制度が設定されるなど、必要に応じた補助制度が取られている。また近年では、地域によっては学校給食費の無償化に踏み切るところも増えている。

 多くの自治体では財源的な問題もあって、思い切った無償化施策に踏み切るのは難しいのかもしれない。一方で太地町では、財源的にも一定の条件がある背景も生かして、思い切った施策をしている。このことは注目だといえるのではないか。