保育事故で園長を刑事告訴:千葉県の認可外保育園

 千葉県市川市の認可外保育園「ぽんておうちえん」で1歳女児が収納スペースの引き戸に指を挟み右手薬指不全切断の大けがをした事故で、児童の保護者が8月10日、同園の園長を業務上過失傷害容疑で刑事告訴した。

 同日、保護者と代理人弁護士が千葉県警市川署に告訴状を提出し、記者会見して明らかにした。

 事故は2017年6月2日に発生した。自由遊びの時間中、他の園児と遊んでいた際に、他の園児が引き戸を急に開け、女児の指が巻き込まれる形になった。

 この事故の経過については、インターネットニュースサイト「Buzzfeedニュース」が、状況を細かく伝えている。

「神経も骨も切断されている状態です。元通りくっつくかわかりません」と、父親は告げられた。

 サイトでの説明によると、経緯の概要は以下の通りだという。

 事故後に児童は病院に搬送されたが、保育園関係者は最初は皮膚科に搬送したという。皮膚科医は児童の状況を診て、救急病院に再搬送させた。神経も骨も切断されている状態として、救急病院で縫合手術がおこなわれた。指はつながったが指先は変形し、保護者は「手先を使う細かい動作が十分にできなくなるのではないか」と後遺症を心配している。

 保育園を運営する宗教法人の事務長と保育園の園長が児童宅に謝罪に来たのは、事故から3週間後、しかも保護者側が疑念を伝えて初めて謝罪に来た。宗教法人代表は児童のケガの様子も確認せず、謝罪も事務長に代理で行かせた。さらに看護のために仕事を休んだ母親への休業補償の件についても、園側は保険会社に一任していた。

 それらのことに不満を持った保護者側は、代理人弁護士を立てて対応にあたることにした。弁護士が交渉にあたった際、応対した事務長は事故の対応について「それは、改めて言われる筋合いではないですわね。それで?」などと発言した。事務長の対応を弁護士から聞き、保護者は「園側は事故の重大性を認識していない」と感じて刑事告訴を決意したという。

 この経過通りなら、ひどいと言わざるをえない。

 園長への業務上過失致傷容疑での告訴は、園の管理者なら引き戸の危険性を予見できた、交換するなどの対応を取らなかった過失があるという理由になっている。引き戸を放置したことが業務上過失致傷になるかどうかという判断については、刑事事件として対応することになり、ここでは判断を保留する。

 しかしその一方で、園側の事故対応という点でみれば、仮にきちんと対応すればここまでこじれるには至らなかった可能性が高いものを、不要にこじらせているような形になっているのではないかとも感じる。

(参考)
◎指挟まれけが 女児父が告訴 市川の認可外保育園で(千葉日報 2017/8/11)
◎認可外保育園で1歳児が指切断の大けが 「それで?」と言われ…両親が刑事告訴(BuzzFeedニュース 2017/8/10)