長崎県新上五島町いじめ自殺訴訟、和解へ

 長崎県新上五島町立奈良尾中学校(五島列島・中通島)3年だった男子生徒が2014年1月にいじめを苦にして自殺した問題で、遺族が起こしていた民事訴訟の和解が、長崎地裁でまとまる見通しになったことが、8月9日までにわかった。

 生徒の自殺はいじめが原因と認め、また教職員の対応にも不備があったことを認めて、町側が謝罪や再発防止策をとること、解決金4000万円を支払うことなどとなっている。

 町側も遺族側も和解に応じる方針だという。

 この事件は2014年1月、3学期の始業式の日に発生した。生徒は当日朝、自宅を出てからスクールバスの乗り場に現れず、行方がわからなくなっていた。その後自宅近くで自殺しているのが見つかった。

 当該校は離島の小規模校で、通常の学校と比較すれば教師の目が届きやすいと言われる条件ではある。しかしこの生徒は3年進級後になり、「死ね」などと暴言を受けたり無視されるなどのいじめを受けていた。3年の夏休みにはいじめを題材にした作文も提出していたという。自殺直前にはSNSに自殺をほのめかすような書き込みをしていた。

 第三者委員会では、生徒が悪口を言われ続けるなどのいじめを認定し、自殺と因果関係があるとした。

 和解での解決金の額は、過去のいじめ訴訟と比較しても高水準となっている。弁護団では和解金の額について、悪口や無視も人を自殺に追い込むような重大ないじめとだと判断され、対策の徹底が求められているとしている。

 この案件に関しては一区切りとはなる。その一方で、いじめを原因とした自殺の事案は各地で相次いでいる。いじめ事案が起きても早期に対応し、自殺など最悪の事態に至らないような対応を、常に検討していく必要がある。