教育・子育て施策が前進している堺市:停滞とデマ流す維新

 2017年9月に投開票が予定されている大阪府堺市長選挙に向けて、大阪維新の会が、教育費の使い方に関してもおかしなことを宣伝しているとのこと。

 堺市では現職の竹山修身市長が、政令指定都市に移行したことで得た権限も活用して、教育分野についても地道な取り組みを進めている。

 一方で大阪維新の会は、大阪市以外の周辺自治体では首長の意向ひとつで市の解体・特別区への編入を決めることができ、また自治体の自治権を縮小する「大阪都構想」をいまだにしつこく持ち込もうと狙っている。そのため、「大阪都構想」を住民自治の縮小とみて批判的な見解をとる竹山市長を攻撃し続け、市長選挙で維新の市長を据えることを狙っている。

 大阪維新の会が堺市でおこなった集会では、おかしな予算の使い方をしている維新市政下の大阪市の教育費を賛美し、堺市の教育が遅れているかのようにミスリードしているとか。

維新が自賛する大阪市:教育行政のおかしさ

 維新は、塾代助成や教育ICT・民間事業者を利用した課外授業など、大阪市で導入しているが効果が疑問視されているものを持ち上げる一方、堺市にはないから教育施策が遅れていると攻撃している。

 塾代助成や民間事業者を利用した課外授業については、児童・生徒の教育条件向上や学校の設備向上など公教育としてやるべき方向を無視して、その分の費用を削り、一部業者を参入させる機会を作っただけにしかなっていない。

維新政治で導入された「教育バウチャー」で弊害が:大阪市
 毎日放送(ウェブ版)が2017年7月19日、『大阪市が中学生の塾代補助や放課後の出張塾、でも保護者から不公平の声』とする記事を配信した。 ...

 また教育ICTについても、とにかく機械・技術を導入することがかっこいいというICT至上主義的な風潮だけで、効果やデメリットなどは十分に検討されていない。

 タブレット端末の初期導入費用が高いこと、大量に準備する機器の中では不良品や調子の悪い機器もそれなりの数が出る可能性があり授業に支障が出る可能性があること、授業中に教材を一斉ダウンロードさせることで回線がパンクすることなど、ICTを導入した他地域では重大なデメリットが指摘されている。

 塾代助成にしても教育ICTにしても、こういうのを「大阪市の実績」として宣伝し、大阪市と比較して堺市が遅れているかのように扱うのは、見当違いの宣伝や批判である。

 他にも維新は、別の場面では、すでにデマだと度々指摘されている「大阪市では維新市政になって教育費5~6倍」のデマ宣伝を蒸し返しているとも聞く。これは、橋下市政での重点施策と位置づけた分野だけを抜き出した数値であり、それ以外の内容も含めた全体の教育予算は、橋下以前の市政から比較すると額はほぼ横ばいだという。

橋下「大阪市の教育予算を5~6倍にした」宣伝はウソ
 橋下徹大阪市長・大阪維新の会代表が、「自分が市長になってから教育費を5倍・6倍にした」とあちこちの演説などで吹聴しているとのこと。 ...

堺市での教育・子育て対策の前進

 一方で、堺市の教育行政では、どんな前進があったか。

 政令指定都市移行によって得た権限も活用しながら、堺市の子どもの実情に合った教育をと、市での独自の教員採用や、少人数指導への教員加配、小中学校教室へのエアコンの段階的設置、中学校給食(配送弁当・選択式)などが実現している。

 利用者が限られる塾代助成や民間活用の課外授業よりも、すべての児童・生徒の教育条件の底上げにつながる対策の方が重要ではないか。

 また泉北高速鉄道と南海電鉄を通しで利用して通学する堺市在住の学生の家庭に対し、通学定期代の一部補助が実現している。

 子育て政策では、学童保育の開設日の増加、保育所の一部無償化、幼児教育費の負担軽減なども実現している。

 ある調査では、「子育てしやすい街」として堺市が全国でも上位にランキングする一方、大阪市や他の維新系首長の自治体は全くランキング外になっているという実態もある。

 堺市では現市政のもとで、教育・子育て政策が地道に前進してきた。政治や行政は「政治のABC:A=あたりまえのことを、B=ばかにせず、C=ちゃんとやる」という地味な部分もあり、大きく目立つものではないとはいえども、着実に積み重ねてきた前進を踏まえることが重要ではないか。

 もっとも、それでもまだ途上の点や改善を要する点もあり、これまでの施策をより拡充する方向で、各方面から実態や知恵を出し合ってよりよい方向での解決策を探るような、引き続いての取り組みも同時に求められる。しかし維新だと、拡充するどころか壊される危険性が高くなるのは、隣接自治体でもある大阪市で発生している数々の実例からも明らかである。