公立高校男女共学化に反発が出る:栃木県

 栃木県教委は8月1日、県内に残る男女別学の県立高校の共学化などを含む第2期県立高校再編計画(2018年度~22年度)案に関して、県内7地区で開催した説明会の結果を発表した。

 足利市では近い将来に高校生の減少が見込まれることで、足利高校(男子校)と足利女子高校(女子校)の統合・共学化が構想されている。宇都宮市では、男女別学の男子校1校に対して女子校が2校あることから、男女別の募集定員を是正するため、宇都宮中央女子高校の共学化などの構想が示されている。

 しかし共学化の対象となった地域では、「再編してしまえば新校は伝統校ではなくなってしまう」「共学校の募集定員を増やすことで男女別定員の偏りを是正できないか」など、男女別学の維持を望む意見が多く出されたという。

 しかしこれらの意見は「自分の出身校は男女別学だからエリート校だ」という感情論だけで、何の根拠もないのではないか。

 戦前の旧制の中等学校制度では複線型の体系をとっていた。普通教育と職業教育との分離とともに、男女間でも進路や教育課程に格差があった。その反省から終戦直後の学制改革における新制高等学校制度(1948年より実施)では「小学区制・総合制・男女共学」の高校三原則が掲げられた。

 うち男女共学については、西日本では比較的スムーズに実施された。しかし北関東や東北ではその方針が徹底されず、旧制中学校や旧制高等女学校を母体とした学校では男女別学のまま新制高校に移行した例が目立った。

 そして男女別学を残存させた地域でも、新学制の元で新制高校として設置された学校は、よほどの特殊な事情がない限り男女共学で設置されたこともあり、旧制学校を母体とする男女別学校がエリート校・伝統校であり、他の学校より格が上、男女別学こそが学校の格を裏付ける象徴かのような差別的な意識が、一部の学校関係者や地域住民の間に広まっていったことになる。

 約10年ほど前の2000年代後半、宮城県でも男女別学公立高校をなくし、男女共学での募集に移行する方針が掲げられた。宮城県では最終的に共学化されたが、その際にも「学校の伝統」などと強い反発が起きた。栃木県で起きていることも、かつて宮城県で起きたことの再来だと感じる。

(参考)
◎栃木県教委 高校共学化に「伝統校でなくなる」と反発の声(毎日新聞 2017/8/2)