森友学園国有地値引きの過程:NHKが報じる

 国が学校法人森友学園に対して小学校建設用地として国有地を8億円以上の値引きをして売却した問題に関連して、近畿財務局と学園側との値引き交渉の内容が取材によって明らかになったと、NHKが報じている。

 国側は従来、「交渉記録を廃棄した」と国会答弁を繰り返してきた。

 報道によると、近畿財務局の担当者と、学園側からは当時代理人だった酒井弁護士(のちに代理人を辞任)が交渉に当たっていた。

 当時貸し付けだった土地からゴミが出てきたとして、小学校の開校が遅れることを心配した学園側が土地の買い取りを打診した。

 2016年3月24日の最初の交渉では、近畿財務局側は学園側に「いくらまでなら出せるか」を尋ね、学園側は1億6000万円が上限と答えた。近畿財務局は、土壌改良工事のために1億3200万円を負担していることから、最低でもそれを上回る価格でと事情を説明した。

 なお、森友学園の籠池泰典前理事長は、国有地の取引の交渉については「弁護士に一任していた。詳しいことはわからないので弁護士に聞いてほしい」とする主張を、大阪府議会の参考人招致の際に述べている。

 近畿財務局は2016年3月30日、ゴミ撤去費用の見積もりを、当時土地を管理していた大阪航空局に依頼した。その後大阪航空局は8億2000万円と見積もり、近畿財務局が同額を値引きすることを決め、売却額は1億3400万円となった。

 決まった売却額は、近畿財務局が提示した最低金額と、学園側が出した上限金額の間に収まる形となった。2016年6月に売買が成立した。

 問題のゴミ撤去費用については、古地図などの情報からみた土地の歴史、近隣住民の証言、ゴミ撤去費用の相場などを総合しても、撤去に8億円以上を要するようなものとは考えにくいといわれてきた。ポーリング調査の結果でもそこまで費用がかからないのではないかとも指摘されてきた。

 森友学園側への便宜を図るために数字あわせをおこない、その数字に合わせて無理筋の主張をおこなってきたのではないかという疑惑はかねてから指摘されてきたが、今回明らかになった状況をみても、その疑惑が深まるものとなっている。

 また特定の学校法人にこのような便宜が図られたのは、学園側が当時掲げていた極右的な教育方針が、大阪維新の会や安倍晋三首相などが共鳴している日本会議・日本教育再生機構的な教育観と一致していたことがあげられる。当時学校新設を目指していた籠池氏・学校法人の存在が、維新や安倍首相などにとっても「日本会議・日本教育再生機構的な教育観の学校を作る絶好の機会」となり、利害が一致して、橋下徹・松井一郎の2代の維新知事のもとでの大阪府や、国が異例の措置をとってでも学校設置に向かわせたという背景もある。

 事件を「変わり者の経営者の暴走」かのように矮小化させてはならない。大阪府および国の対応についても厳しく問われなければならない。

(参考)
◎近畿財務局と森友学園 売却価格めぐる協議内容判明(NHKニュース 2017/7/26)

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