維新政治で導入された「教育バウチャー」で弊害が:大阪市

 毎日放送(ウェブ版)が2017年7月19日、『大阪市が中学生の塾代補助や放課後の出張塾、でも保護者から不公平の声』とする記事を配信した。

 維新市政下の大阪市で導入された「教育バウチャー制度」。学習塾や習い事に通う中学生の家庭に対して、1人あたり月額1万円を補助する制度だが、導入後の実情についてリポートしている。

 記事では、大阪市立松虫中学校(阿倍野区)でおこなわれている、大手学習塾が学校の教室を借りて開催する「出張塾」を例示しながら、問題点を指摘している。

 「教育バウチャー」制度では、保護者の年収制限や、対象者でも実際の利用率は低迷するなどの問題が指摘されてきた。そこで大阪市教育委員会は2017年度から、学校施設を活用して学習塾などが講座を開講する「出張塾」のシステムを導入し、「教育バウチャー」の補助対象にするとした。

 それを受けて、松虫中学校では週2回、夜間に校舎を活用して「出張塾」が開かれている。

 しかし松虫中学校の「出張塾」では、受講対象は同校に通う生徒限定で、近隣の市立中学校に通う生徒や、私立などに通う生徒は受講できないという制限が付いている。また大阪市全体でみても、「出張塾」の定員は1300人程度のうえ、会場となる学校の収容能力などの問題もあるという。

 これらは、行政としては平等ではないのではないかという疑問が呈されているという。

 維新政治による教育介入の弊害が、顕著に表れた事例の一つである。維新による教育は、行政・権力による統制介入の強化と並んで、新自由主義的な発想のもとで公教育を縮小し民間に丸投げしたり、競争・格差などを意に介さないという重大な特徴がある。

 「教育バウチャー」制度についても、こういうことをするよりもまずは先に学校の教育条件を整備して底上げを図ることが先だと指摘されてきた。実際の運用をみると、結局は公教育への投資を縮小させ、その分の税金で一部業者の事業を応援するということにもなっている。制度の導入時に危惧されていたことが、より露骨な形で現れた形になっている。

 また、全国学力テストの学校別成績公表、学校選択制の導入など、維新政治に悪影響を受けた大阪市教委の施策も指摘しておかなければならない。学校や地域によって全く異なった取り組みをおこなって不平等感・不公平感が生まれても、行政側は「その学校を選ばなかったのが悪い」といった方向性に持ち込んで居直るのではないかと危惧される。

 このような「教育バウチャー」ではなく、行政としては公教育への投資をしっかりとおこなって、全体に対して必要な条件を整備することが重要である。

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