教職員の給与体系変更を検討:大阪市教委

 大阪市教育委員会が2018年度より、市立学校教職員の給与制度の体系を見直し、初任給を全国一高くするなどの方策を検討していると報じられている。

 産経新聞2017年7月12日付「能力に応じた給与制度に 大阪市教委、30年度から」によると、(1)初任給の水準を引き上げる。(2)一般教諭と主席指導教諭との間に新たな役職を設ける。(3)新たな役職に37歳までに合格しなかった教諭には、それ以降の昇給停止。(4)新たな役職に合格した教員には、職務の困難度に応じて給与を加算。――となっているという。

 今後、教職員団体(労働組合)との折衝を進めるとしている。

 この新体系は、小手先と思いつきだけでおこなわれている上、教育の本質を全く理解していないものだというべきものである。初任給を上げるという一点だけはともかく、中堅・ベテラン教員に対する昇給停止も含めた昇給・人事評価の不透明さをはらむ体系では、全体としてみれば、教職員への締め付けや教育現場の混乱が今まで以上に進む危険性がある。

 そもそも、学校の教育活動や教職員の評価などは、単純な基準で決められるものではない。また教育活動は学校全体の集団的組織的な活動で、特定個人の業績・成果が判然としない部分も多い。

 大阪市教育委員会は「頑張っている教員を評価し給与に反映する」としているが、何をもって「頑張っている」かそうでないのかと判断するのか全く不明確である。

 こんなことでは、教職員間に疑心暗鬼を生んだり、管理職にすり寄ったり足の引っ張り合いなどの好ましくない状況も生まれてくるのではないだろうか。

 しかも大阪市では、維新によって「教育基本条例」が導入されたり、学校選択制や全国学力テストの学校別成績開示など、学校現場への締め付けが強まっている。こんな給与体系では、そういう締め付けをさらに強めて、教育現場を息苦しくさせる風潮がさらに強まるのではないか。