森友問題大阪府議会参考人招致:大阪府の疑惑は深まる

 7月10日の大阪府議会本会議での、森友学園前理事長・籠池泰典氏の参考人招致。籠池氏の発言や質疑内容は、一連の疑惑は大阪府・維新が強く関与し、また国政・安倍晋三首相の間接的な影響もうかがわせるものだという疑念を、ますます強くうかがわせるものとなっている。

 大阪府議会本会議で7月10日、森友学園問題に関して前理事長・籠池泰典氏の参考人招致がおこなわれた。  最初に籠池氏が発言をおこない、...

 籠池氏によると、「かねてから愛国教育を考えて小学校設置の構想を持っていたが、頓挫していた。しかし2006年末の第一次安倍内閣での改正教育基本法の成立を受け、2007年前後に風向きが変わったことで、運営している幼稚園で改正教育基本法の趣旨に沿って愛国教育をおこない、議員が視察に来てくれる機会も増えた。一番熱心に視察してくれたのは維新の議員」「2012年2月26日の日本教育再生機構の教育シンポジウムで、松井一郎大阪府知事と安倍晋三氏が並んだことで、教育再生の気運が高まったと感じ、小学校を設置するタイミングだと感じた」ということである。

 籠池氏が当時おこなってきた極右的な「愛国教育」なるものの内容は、当ブログとしては支持できるものではないし、社会的にも時代錯誤のものとして受け入れられないだろう。しかし極右的な思想に基づいた教育を持ち込むことを目指していた政治家の動きと、籠池氏の思想・実践が互いに結びつく形で、ことが進んできたことが読み取れるということになる。

 籠池氏や当時の学園関係者については、反省すべき点は反省して改善を図ることや、これまでしてきたことに対する社会的責任を問われることなどに対して、真摯に向き合うべきである。しかし、大阪府政や国政で関与した者は、都合の良いときは共に歩む関係として利用しながら都合が悪くなると知らん顔、それどころか一方的に罪をかぶせて「自分たちは何の関係もない」「強烈なキャラのおっさんが勝手にやったことで、自分たちはだまされた」かのように扱って逃げるような態度を取っているのは、とんでもないことではないか。

 籠池氏の発言を受けて、維新・自民・公明の各会派の府議が籠池氏への質疑をおこなった。なお共産党は、参考人招致での質問・発言を希望して議長と副議長に申し入れたものの、大阪府議会では少数会派のために希望がかなわなかったという。

 維新の議員は、一連の事件の内容をよく理解していないのか、それとも意図的に論点をすり替えているのか、的外れな質問をして籠池氏から一喝されたり、傍聴者から失笑が起きる一幕もあった。

 松井一郎大阪府知事は直前までは本会議場にいたが、参考人招致が始まる直前に議場から退出した。

 松井知事は以下のように述べている。


 完全な責任転嫁、論点のすり替えとしか思えない内容である。確かに、補助金疑惑では籠池氏・学園サイドにも問題はある。しかし問題の本筋は、大阪府の不可解な学校設置認可問題である。学校設置基準を緩和した橋下・松井の歴代知事、当時知事部局として実務を担当し私学審議会でも疑問が出されたのに認可適当答申を押し切った大阪府私学課、これらの責任を曖昧にしてはいけない。

 また松井知事は「籠池氏とは面識がない」と以前に述べていたが、「籠池氏を真面目な教育者で嘘をつくような人でないと思い込んでいた」という発言からは、実際は面識があったかのようにも受け取れる内容となっている。

 松井知事の対応は、ますます不可解だと言わざるをえない。大阪府議会では維新と公明が百条委員会設置に反対していると聞くが、当事者の一人の籠池氏からも直に設置の要望があったこともあり、百条委員会設置も必要ではないか。

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