大阪市、教員確保策を話し合う総合教育会議

 大阪市の総合教育会議が7月7日に開催され、教員確保の具体策が議題になった。

 吉村洋文大阪市長はその席上で、「優秀な人材を集めるためにも全国一高い初任給を実現したい」「頑張っている先生が給与上報われる仕組みが必要だ」などと発言したという。

 教員の給与の向上自体は、頭ごなしに否定するものではない。しかし維新に大きく混乱させられてきた大阪市の教育行政では、これまでも状況が悪化してきたし、今後も悪化する危険性がある。

 維新が首長となった大阪市や、同じく維新が首長となった大阪府では、教員志望者が大阪市や大阪府の教員採用試験受験を避けて近隣の自治体に流れる傾向がある。また現職教員についても、条件と機会のある人は他府県や私学に流出する傾向もみられる。

 このような現象が起こるのは、維新によって教育行政が大きく混乱させられていることが背景にある。維新主導で作られた「教育基本条例」により、学校現場への締め付けが厳しくなっている。また、市立小中学校での学校選択制の導入、全国学力テストの学校別成績公表で学校間・地域間の格差や評価につなげようとする、高校入試では府のチャレンジテストに加えて市独自の統一テストも加わることで生徒への成績評価の方法や授業進度などを左右する、など、好ましくない事象が多数起きている。

 このような維新のやり方を改めない限り、給与が多少高くなっても、根本的な解決にはならないのではないか。

 また「頑張っている教師に給与を上乗せ」とする内容も気になる。教育は単一的な尺度で「どの教師が優れているか」と単純評価できるようなものではない。

 それを無理やり評価しようとなると、テストや部活動の成績・いじめなどの件数・進学状況などの数値基準が持ち出されることにもなりうる。しかし、そういう数値は他と比較して評価する性質のものではない。それらを無理やり持ち込むと、数値向上のための対策一辺倒になったり、好ましくない数値は隠蔽などの不適切なことが起き、学校現場をさらに締め付けたり、教職員間で疑心暗鬼を生むことにもつながる。また、校長など管理職などの好みで教職員評価が判断される危険性も生まれてくる。これでは、これまで以上に状況が悪化することになる。

(参考)
◎教員給与見直し 大阪市検討へ(NHKニュース 2017/7/8)