高等森友保育園に事業停止命令

 大阪市淀川区の私立保育所「高等森友学園保育園」で必要数の保育士が確保できていなかった問題で、吉村洋文大阪市長は6月27日、同園に対して7月1日から6ヶ月間の事業停止命令を出すことを表明した。

 同園は当面6ヶ月間休園となり、在籍園児36人のうち31人は他の保育所への転園・受け入れが決まっている。残る5人についても受け入れ先の調整を急いでいる。

 同園では在籍園児数に対して必要な保育士数が満たされず、大阪市から保育士を臨時派遣するなどの緊急対応を取っていた。園側は保育士採用を目指すとし、内定を出したと模試に伝えていたが、採用内定を裏付ける資料が提出されないなどの状況になっていた。

 大阪市児童福祉審議会は6月26日付で、6ヶ月間の事業停止命令が妥当とする答申を出し、市長がそれを受けて命令を出した形になる。

 高等森友学園保育園については、保育士確保の問題のほか、虐待疑惑や保護者への不適切対応の疑惑、市からの補助金を不正に受給していたのではないかとする疑惑など、多数の問題が指摘されている。

 事業停止命令はやむを得ないことではある。しかしその一方で、大阪市が「被害者」面するような性質の問題ではない。

 高等森友学園保育園や同一経営陣が運営していた塚本幼稚園(学校法人森友学園、幼稚園は2017年度に経営体制を刷新)については、ここ数年来、複数の保護者からの苦情が度々大阪市や大阪府の担当部署に寄せられていたと聞く。大阪市は漠然と放置していたのではないかという疑念もわく。

 経営陣の対応は極めて問題であり、必要な社会的措置がとられるべきであることは言うまでもない。その一方で行政については「都合が悪くなったから経営陣だけのせいにして逃げる」という対応では済まされない。

 一連の森友問題は、経営陣の私的な意向だけでできるような性格のものではなく、政治・行政の強いバックアップがあったからこそ可能になったものである。そこには、国レベルでの安倍晋三首相や首相夫人・安倍昭恵氏につながる流れとともに、橋下・松井の2代の大阪府知事につながる大阪府政・市政与党の大阪維新の会の存在が見え隠れするものである。国ルートと大阪ルートのそれぞれの政治的な意向が行政の不適切な運営となって現れ、おかしなことになったのではないかといえる。

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