小学校で広がる「2分の1成人式」:疑問を指摘した朝日新聞記事

 『朝日新聞』2017年6月26日付に『「2分の1成人式」誰のため? 感動押しつけに違和感も』が掲載されている。

 10歳を祝うとして小学校で広がっている学校行事「2分の1成人式」。しかしこの行事については、自分の生い立ちなどを作文に書かせたりクラスで発表させることなどから、「プライバシーへの配慮に欠ける。とりわけ、家庭環境や生育歴が複雑な子どもへの配慮がない」「感動の押しつけ」などの批判があがり、しばしば批判が取り上げられている。

 朝日新聞の記事では、2017年5月に「2分の1成人式」の記事を出したことで、読者から体験談や意見が約150通届くなど反響があったとして、読者からの意見の一部を紹介している。大半が「2分の1成人式」への違和感や批判だという。

 親から虐待されて育った人や、小さい頃に母親と死別した人が、2分の1成人式で「親への感謝」を題材とした作文を書かされたり、当日の周りの様子で、辛い思いをした体験談を寄せている。

 また保護者の立場からの体験談も寄せられている。離婚して子どもを育てている母親、子育てに悩んでいる母親、娘を早くに亡くして残された孫(娘の子)を育てている祖母の体験談が紹介されている。

 祖母の体験談では、孫が3年生だったとき、学校だよりに「2分の1成人式」が紹介されているのが目にとまり、「みんなの前で感謝を読み上げることや、母親がいないことを紹介するのは疑問」と担任に手紙を書いた。担任から折り返し連絡があり、担任は「自分も個人的には反対」と表明した。祖母は4年生の担任とも話し合い「前向きで、すべての子どもが同じ立場でできる内容に」と訴えた。その結果学校側の対応が変わり、予定されていた「2分の1成人式」は、将来のことを発表する会として運営された。担任は「熱心な先生もいて、学校では反対しにくい。保護者の声があったから対応できた」と感謝を訴えたという。

 「2分の1成人式」自体、特定の固定された家族モデルの中で、特定の家族像や道徳を押しつけるものではないのかという疑問がある。その結果、その家族モデルから外れる家庭の子どもには、強い心労となる。

 また、そもそもの問題として、クラスや学年のみんなの前で家族のプライバシーを公表させるというやり方自体が、重大な問題である。家族に関することは家庭内で私的におこなうべき範疇であり、学校側が私生活に介入してさらし者にするようなものではない。

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