次期学習指導要領解説書を公表:文科省

 文部科学省は6月21日、2020年度以降に実施される次期学習指導要領の解説書を公表した。

 中学校社会科では、憲法改正手続きについて「改正のための国民投票の具体的な手続きも法律によって定められている」ことを理解できることが必要になるという指針を新たに示した。現行の学習指導要領では憲法改正手続きについては明記されず、教科書で触れても簡素な内容にとどまっていた。

 また小学校社会科では自衛隊について「我が国の平和と安全を守ることを任務とする」として、国防の意義について理解するよう求める指針を示した。

 さらに小学校社会科では、「日本国憲法の基本的な考え方」とした学習内容で、日本国憲法の三原則のひとつ・平和主義については「自衛隊が我が国の平和と安全を守っていることに触れるようにする」と求めている。

 解説書で示された内容は、教科書の記述内容として具体的に反映されることになり、現場の授業内容にもつながってくることとなる。新学習指導要領に基づく新しい教科書はこれから作成されることになるが、新たな教科書では、憲法改正手続きや自衛隊についての記述がこれまで以上に強化されることになると見込まれる。

 安倍内閣のもと、右傾化と国家主義的内容、また政府の考え方に沿った授業構成を求める態度を求める姿勢が、より強まった内容になったといえるだろう。

 憲法改正問題については、改正手続きの概要の解説にとどまらず、改憲へ誘導する狙いがあるのではないかと思われる。一部政党から発表されている改憲草案の軸は、現行の日本国憲法で示された国民主権や基本的人権の問題などを骨抜きにして変質させるのではないかという強い危惧が出されている。

 自衛隊についても、その存在については憲法上の見解が分かれているが、政府見解に沿った考え方を注入する姿勢がより強まったのではないかとみられる。

 今後の動きを注視していきたい。

(参考)
◎「改憲手続き」初明記=自衛隊の役割も-新指導要領解説書(時事通信 2017/6/21)
◎「改憲手続き」中学社会に 新学習指導要領の解説書公表(日経新聞 2017/6/21)