学力テスト学校別成績不開示判決確定:京都・城陽市

 2014年度の全国学力テストで、京都府城陽市のNPO法人「行政監視機構」が城陽市に対し、市立小中学校の学校別成績の平均正答数や正答率などの開示を求めた訴訟で、最高裁がNPO法人側の上告を棄却し、成績不開示とする大阪高裁判決が確定したことがわかった。

 上告棄却は6月8日付。城陽市が翌6月9日に発表した。

 この訴訟をめぐっては、一審京都地裁では開示を命じる判決が出された。しかし二審大阪高裁では「過度な競争が生じる可能性がある」などとして開示を認めない逆転判決となっていた。NPO法人側が上告していた。

 京都府城陽市のNPO法人「行政監視機構」が城陽市に対して2014年度全国学力テストの学校別成績開示を求めた訴訟で、京都地裁は2月18日、各...

 開示を認めない判決が確定したのは、歓迎すべき結果である。

 学力テストの平均点や順位が、学力のすべてではない。学力テスト自体、多様な側面のある学力の一部でを示すものでしかない。

 しかし、一度のテストでの学校別・地域別平均点や順位だけを過度に重視する風潮が、全国学力テストの導入によって強まっている。

 平均点や順位、全国平均より上か下かだけが一人歩きすることで、教育現場には大きなゆがみが生じることになる。

 平均点を上げるために、テスト直前には過去問対策ばかりさせるといった例も生まれている。ある小学校では6年生に進級してから4月下旬の試験実施日までの間、6年生で習う内容には入らずに全国学力テスト対策ばかりする事例も報告されている。

 また、学習塾やクラブ活動で他校の生徒と顔を合わせた際、学力テストの平均点が低い学校だったことで「バカ学校」などと心ない暴言を受ける事例や、インターネット上でも特定の学校を名指しして「学力テストの点数の低いバカ学校」などと中傷書き込みがされて教育委員会が遺憾の意を示す事例も、報告されている。

 現行の全国学力テストのあり方自体が、競争と序列化目的で構想され、世論の反発や国会での質疑を経て表向きは「個別の児童生徒の状況把握」を口実にせざるをえなくなったという導入経緯から、制度自体に大きな矛盾が出ていて問題ではある。

 教育行政の資料としてなら抽出調査で十分だし、個別の児童生徒の状況把握にしても制度がおかしすぎて使えないことになる。過去問対策などがおこなわれているということは、実際に競争と序列化の風潮が生まれているということにもなる。

 全国学力テストは廃止すべきである。実際に廃止されるまでの間は、競争と序列化が生まれないような対策を徹底的に講じるべきではないか。学校別成績の非開示も、競争と序列化を避けるために必要な方策のひとつである。

(参考)
◎全国学テ成績、不開示が確定 京都のNPO上告を棄却(京都新聞 2017/6/12)

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