私立高校剣道部での「体罰」・暴行、裁判で一部認定:東京

 東京都港区の私立普連土ふれんど学園高校で2011年、剣道部の顧問教諭とコーチから暴行を受けてケガをしたとして、当時2年だった元剣道部員の女性が学校や加害者を相手取って約1100万円の損害賠償を求めて訴えた訴訟で、東京地裁は5月31日、被害者側の訴えを一部認容し、学園側と加害者2人に対して約90万円の支払いを命じる判決を出した。

 事件は2011年に発生した。校内で合宿練習中、顧問教諭とコーチはこの女子部員に対して暴行を加えたという。顧問教諭は部員の腹を蹴って転倒させ、コーチは竹刀で喉を突いたり体当たりなどしたという。部員は頸部にケガをし、一時登校できなくなった。また心的外傷後ストレス障害(PTSD)を発症したとも訴えた。

 学校側は事件後、顧問教諭を減給処分にし、同教諭は依願退職したという。またコーチは解雇されている。

 判決では、教諭やコーチが原告の練習態度に不満を持ち怒りをぶつけたことが事件の動機で、「体罰」に該当すると認定した。その一方でPTSDは認定せず、また校長や法人理事長といった学校経営陣個人の責任は認めなかった。

 認定範囲が十分ではないといえども、暴力行為が違法行為であり、「体罰」であると明確に断罪されたことにはなる。

 認定範囲が不十分としてさらなる認定を求めるか、もしくは一部でも認定されたことを重視するかは、原告側が判断することではある。一方で学校側については、教諭やコーチの行為が悪質なものだと認めて、これ以上争うべきではないし、再発防止策を検討していくべきではないか。

(参考)
◎腹蹴り転ばす、竹刀でのど突く…女子剣道部員に体罰 普連土学園元教諭らに90万円の賠償命令 東京地裁(産経新聞 2017/5/31)