大阪市生野区の小中学校再編計画:地域からは疑問の声

 大阪市では2016年2月、生野区西部の12小学校と5中学校について、4小学校と4中学校に大規模再編し、「一小一中」体制での小中連携による小中一貫教育を実施したいとする「生野区西部地域学校再編整備計画」構想をまとめている。

 「生野区西部地域教育特区構想」(平成27年7月)に基づき、生野区西部地域における学校再編の具体的な考え方、新たな学校の配置案や跡地活用の考え方、今後の進め方などをまとめ「生野区西部地域学校再編整備計画」として平成28年2月に策定しました..

 2017年時点では地域との折衝を進めている。大阪市の当初の構想では、2016年秋にも地域との合意を成立させることを目指し、最短で2019年度の統合新校開校を目指していたという。しかし地域からの反発が強く、対象となった地域すべてで当初計画通りの合意は得られなかった。地域では引き続き折衝が続いている。

 大阪市は計画について、統廃合校の組み合わせや新校の校区などに関しては当初計画からの修正・調整はありうるが、計画そのものの白紙撤回は考えていないとしている。

 生野区西部では高齢化と少子化が大阪市内の他地域以上の速いペースで進み、小中学校の児童生徒数も大きく減少している。小学校では1学年20名以下の小規模校も生まれているという。

 その一方で、統廃合が計画通り実施された場合は校区が大きく広がり、統合小学校予定地まで子どもの足で徒歩40分以上かかる地域が出ることも指摘されている。

 また世界的には学校の児童・生徒数が100人~200人前後が主流で、児童生徒・保護者・教職員・地域の距離が近い少人数だからこそ教育効果があるとも指摘されている。「少人数だから一律に悪い」と決めつけるような大阪市の対応は誤っているのではないか、少人数教育の流れに逆行しているのではないかとする意見も出されている。

 地域環境の観点からは、生野区西部は住宅密集地域でもあることから、地域の防災拠点がなくなることへの不安なども指摘されている。

 子どもの教育という観点からも、地域コミュニティの観点からも、疑問が出されているような統廃合計画をそのままごり押しするようなことは、禍根を残すことにもなる。

 大阪市では、大阪維新の会の市政のもと、市立小学校や市立幼稚園の強引な統廃合計画を出して、地域住民からの疑問が出ても無理に押し切った例が、すでに市内の他地域でも複数生まれている。

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 そのような事例を、生野区でも再現させるわけにはいかない。白紙撤回の選択肢も否定せず、地域住民の声を反映した対応が求められる。