ニセ科学、オカルトを「事実」として教育現場に持ち込むべきではない

 『弁護士ドットコム』サイト上に、「教員が生徒等を誘導するために疑似科学、オカルトを事実であるとして教育の現場で用いる行為について」とする内容が掲載されている。

 教員が生徒・児童を自身の望む方向に誘導するために疑似科学、オカルトを事実であるとして教育の現場で用いる行為について質問です。 具体名はあげませんが、テレビゲームをすると認知症のような脳波になっ...

 疑似科学・ニセ科学やオカルトまがいの行為を、あたかも事実かのように学校教育現場で教えることについて、違法にはならないのか、懲戒処分や分限免職の対象にならないのかという質問である。

 弁護士の回答は、「嘘も方便とばかりにわかった上で用いる場合、その行為自体が即違法とまでは難しいが、度を超えれば懲戒処分対象になることも考えられる」「その疑似科学性、オカルト性に気がつかず信じた上で用いる場合、信じただけで処分というのは重すぎる。気づかずに信じているのなら、まずはそれを是正させるべき」(要約)となっている。

 法的な見解では、即違法や処分対象とまではならないというのは、その通りであろう。

 しかし「法律に抵触しないから何をしてもいい」というほど、単純ではない。

 教育的な観点からは、疑似科学・ニセ科学のたぐいがまかり通るのは、児童・生徒の発達にとって良くない。科学的な対応に基づいて自主的・自発的な措置がとられるべきものである。

 学校現場にも、道徳教育などの分野を中心に、いわゆるニセ科学のたぐいが入り込んでいることは、時々指摘されている。

 元のサイトでは、明示はしていないものの、「水からの伝言」と呼ばれるものを例示していると考えられる。

 ほかにも、環境改善から話が飛躍して多分野に効くと効能をうたいだすようになった「EM」や、1980年代以降の創作にもかかわらず「江戸時代の道徳」と偽って教える「江戸しぐさ」、発達障がいは親の育て方によるなどとする「親学」などが、学校教育の一部に影響を及ぼしていることがあると指摘されている。

 科学的には根拠が確認されていない、もしくはデタラメだとみなされているような、いわゆる「ニセ科学」「疑似科学」について、一部とはいえども学校...
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 この手のものは、自然科学としても、人文・社会科学としても荒唐無稽のものではある。

 本来はバカバカしいと一笑に付したいほどではあるものの、放置していたらしたで増えるとやっかいで、面倒なことではある。

 しかしこういうのに対応していくためには、疑似科学・ニセ科学といわれるものには主張には科学的根拠がないということを、地道に一つ一つ示していく必要がある。

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