御影中学校熱中症死亡事故、顧問の過失認め賠償命じる:神戸地裁

 兵庫県神戸市立御影中学校で2005年に発生した柔道部死亡事故について、神戸地裁は5月19日、顧問だった講師(当時)らの過失を認めて神戸市に1900万円の損害賠償を命じる判決を出しました。


 事故は2005年8月2日、合宿先の淡路島で発生しました。柔道部員だった男子生徒(当時1年)は練習中、顧問の講師に体調不良を訴えました。また床に横になるなど体調不良の兆候も示していたということです。指導していた顧問講師は2人いましたが、いずれも体調不良の訴えを「練習をさぼるための冗談」などとして練習を続けさせた上、練習終了後には「気合いが入っていない」として正座させた上平手打ちするなどしました。
 生徒は午後10時過ぎに倒れて病院に搬送されましたが、翌8月3日未明に熱中症で死亡しました。
 判決では、生徒の異変を認識することは可能だった・応急措置をとっていれば救命できたと判断し、元顧問講師らの過失と死亡との因果関係を認定しました。
 一方で遺族側は、顧問は2人とも臨時講師だったことなどを指摘し、事故予防についての学校や教育委員会の指導が十分ではなかったと指摘していました。判決ではこの点についての判断は避けているということです。
 報道を読む限り原告側は、学校・教育委員会の責任が判断されなかったことについては残念としているものの、熱中症発症についての過失が認められたことについては判決を評価している様子です。
 指導者の不適切な指導が、この事故を招いたものだといえます。事故の発生状況は「しごき」に類するものといっても過言ではないでしょう。
 一方で御影中学校事故以降の5年間だけでも、部活動中に体調不良の兆候を示した生徒に対し、指導者が適切な対応をとらず、練習を無理に続けさせた結果重大な結果を招いた事故は、大きくマスコミ報道されて社会問題になったものだけでもいくつもありました。
 このような事故の再発防止のためには、事故を対岸の火事とせずに自らの問題としてとらえ、教訓化していくことしかありません。
(参考)
◎中1死亡で神戸市に賠償命令=柔道部顧問の過失認める―地裁(時事通信 2010/5/19)
◎中1生熱中症死 神戸市に1870万円賠償命令(神戸新聞 2010/5/19)
事故概要