7割近くの子が「自分はダメ」:福岡県宗像市の調査から

 福岡県宗像市教育委員会は2005年秋、市内の全小学校の4年生と6年生・計1862人(回収率98.2%)を対象に、「生活と意識の実態調査」を実施し、このほど結果をまとめたということです。


 設問では、子どもの自尊感情を「何をしてもダメな人間だと思うことがあるか」という問いを加えたということです。その結果、「よくある」と回答した子どもが約1割、「時々ある」「たまにある」まで含めると7割近くの子どもが「自分がダメな人間だと思うことがある」と回答しています。
 適度な自尊感情は、自分自身の成長・発達の方向性を指し示し、また自分自身や他者を大切にする態度にもつながります。自尊感情が欠乏している状況になっているのならば、子ども自身の成長・発達にとっても、また社会のあり方としても望ましくないことです。
 調査結果についてはさらに詳細な分析が必要になってくると思われますが、現代の子どもを取り巻く状況の一端が見えてくるような調査になっています。
 子ども自身に適度な自尊感情を付けさせるためにはどうしていくべきなのか、いろいろな角度から考えさせられます。

宗像市教委 小4、6の「生活と意識」調査 7割が「自分はダメ」〔『西日本新聞』福岡都市圏版2006/6/6〕
 宗像市教委は昨年秋、同市内の小学4、6年生を対象に実施した「生活と意識の実態調査」の結果を発表した。それによると、「何をしてもダメな人間だと思う」ことが「たまにある」まで含めると、両学年とも7割近くに達していた。市教委は「今後、ほかの質問結果とも合わせて原因を検討するが、実体験の不足が自信喪失を招いているのではないか」とみている。
 同調査は1990年、98年に続き3回目。質問数は「家庭における生活実態」など7分野、計69項目。市内の全15小の1862人が対象で、回収率は98.2%。地元の福岡教育大の横山正幸名誉教授(発達心理学)が監修した。
 今回の調査では、自分に誇りと自信を持っている感情・自尊感情を探るため、「何をしてもダメな人間だと思うことがあるか」という逆説的な問いを初めて加えた。
 これに対し、「よくある」「ときどきある」「たまにある」は順に、4年生が11.2%、15.6%、40.4%、6年生が9.3%、16.1%、41.3%だった。
 一方、「子守」など9つの生活体験の有無を尋ねた質問では、両学年とも「けんか」「木登り」「学校以外で包丁を使った野菜の皮むき」など5つで、「ぜんぜんない(なし)」が前回調査よりも増えていた。
 報告書はA4判88ページ。学校やPTAなどに300部配布した。同じサイズのダイジェスト版(6ページ)も年内に3000部印刷する予定。

生活と意識の実態調査:「ダメな人間と思う」ことが67%--宗像市教委 /福岡〔『毎日新聞』福岡都市圏版2006/6/16〕
◇全15小学校の4、6年生対象--「家族で食事、1週間に0回」10%超す
 約67%の子どもが「自分のことをダメな人間だと感じている」――宗像市教委が市内の全15小学校4、6年生計1862人を対象にした「生活と意識の実態調査」で両学年とも、こんな結果が出た。市教委は「心身の発達に必要な実体験の不足があるのではないか」と分析している。
 調査は90、98年に続き3回目。昨年10、11月に「家庭における生活」「規範意識といじめ」など7項目の計69問を尋ねた。回収率98・2%。福岡教育大の横山正幸名誉教授(発達心理学)が分析を交えて報告書(A4判、88ページ)にまとめた。
 調査には、今回初めて「何をしてもダメな人間だと思うことがあるか」という自尊感情に関する質問を設けた。「よくある」は4年生11・2%、6年生9・3%▽「ときどきある」は15・6%、16・1%▽「たまにある」は40・4%、41・3%。一方「ぜんぜんない」は32・9%、33・2%だった。
 「家族そろって、ご飯を食べることが1週間に何回あるか」では「0回」が4年生で12・6%、6年生で13・8%と両学年で初めて10%を超えた。団らんの機会を持たない家庭の増加がうかがわれる。「7回以上」は4年生22%、6年生19・6%で3回連続減少した。
 「何もしないのにひどくいじめられたことがあるか」では「ぜんぜんない」が4年生37・8%、6年生54・8%。前回比で、それぞれ11・4ポイント、7・9ポイント減った。【中原剛】