森友学園の設置認可関連資料を情報公開:大阪府教育庁

 大阪府教育庁は4月17日、森友学園の設置認可に関する資料502ページ分の情報公開をおこなった。

 瑞穂の國記念小學院の設置計画書や設置認可申請書など、学園側が府に提出した資料の写しが開示された。

 これらの資料については大阪府は従来、「検察が捜査中。捜査に支障が出るおそれ」などとして開示を拒否してきた。しかし大阪府議会での質疑で、「検察側が同意すれば開示する」とする知事答弁を引き出していた。

 3月19日に大阪府議会教育常任委員会が開かれ、森友学園問題についても取り上げられた。  この問題では、近畿財務局と大阪府私学課との交...

 検察は開示について意見を付けなかったことから、今回の開示に至った。

開示された文書の内容

 文書では、教育勅語を軸にした学校運営の方針が記されていたという。

 また学園側が資金集めに奔走していた様子をうかがわせる記述もあったが、出資者の氏名などは黒塗りで開示されている。

大阪府は「教育勅語」体制を追認した形に

 森友学園が教育勅語を軸にした教育をおこなっているという問題は、2006年の時点で同学園運営の塚本幼稚園(大阪市淀川区)や系列園・南港さくら幼稚園(大阪市住之江区。2014年度以降休園中)について新聞報道がおこなわれるなど、問題点が指摘されていた。

 「共同通信」7月1日付によると、大阪市淀川区の私立塚本幼稚園と、大阪市住之江区の私立南港さくら幼稚園で、年長組の園児約120人に教育勅語を...

 そもそも教育勅語の理念を賛美するような教育方針自体が、現行の憲法や教育基本法に基づく学校運営の体制とは根本的に相容れないものである。

 そしてその森友学園が小学校を新設する際、教育勅語を軸にした教育方針を計画しているとする文書を提出したということになる。普通に考えれば、大阪府は学園側から提出された文書にも目を通しているということにもなる。

 ということは、大阪府は学園側の教育勅語肯定の教育方針を認識しながら、学校設置認可にゴーサインを出したということにもなる。

 この意味でも、大阪府は危険なことをしているということになる。

大阪府が「教育勅語」体制を追認した背景は?

 大阪府がこのようなことをした背景には何があるのか。やはり「政治案件」というべき背景があったと考えざるをえない。

 大阪府政与党の大阪維新の会では、複数の維新議員と学園側とのつながりがあると指摘されている。学園の方針に肯定的な対応をとり教育方針を賛美していた議員もいた。

 中川隆弘大阪府議(当時。2018年4月22日投開票の豊中市長選挙では維新公認の市長候補)は、一度目の私学審議会で継続審査となった後の2014年12月、森友学園・籠池泰典理事長(当時)からの要望を受けて、大阪府に審議状況を問い合わせている。中川氏の問い合わせ直後の私学審議会で、条件付き認可相当答申が出た。
 籠池氏と中川氏はそれまで面識がなかったというが、2人をつないだのは、双方の共通の知人にあたる松浦正人・山口県防府市長だった。松浦氏は、安倍晋三首相の極右的な「教育再生」方針とも近い「教育再生首長会議」の会長を務めている。

 中川氏の問い合わせからさかのぼること約3年弱、2012年2月に開催された教育再生シンポジウムでは、パネリストの安倍晋三氏が大阪府の「教育改革」を「自分が(1期目の)首相時代にできなかった理想を、大阪府でしているのは素晴らしい」という趣旨を発言して褒め称え、パネリストとして並んだ松井一郎大阪府知事と「教育再生」で意気投合するなどした。そのシンポジウムを機に、維新は安倍首相の方針ともつながり、森友学園問題の転換点の一つともなったと指摘されている。

 森友学園の小学校新設が具体化する中で、大阪府私学課と近畿財務局が校地の土地問題で頻繁に打ち合わせを実施するなど、大阪府と国が歩調を合わせることになった。

文書の分析と、さらなる開示を

 今回開示された文書については、詳細に分析した上で、必要な対応をとっていくことが必要となる。

 黒塗りになっている部分についても、マスクを外したものを改めて開示させるなどの手続きも必要ではないか。

 また他にも、大阪府が「不存在」の姿勢を崩していない、私学課と知事との打ち合わせ内容の記録についても追及していく必要がある。

 国では従来「不存在」とされていた文書が「発見」される事案が相次いでいる。大阪府でも、存在しないとされている文書が実際には存在している可能性も捨てきれない。

 この問題は、大阪府の問題としても全容解明が必要である。