「体罰」廃絶を:朝日新聞の特集記事を読んで

 朝日新聞社は先日、高校野球での「体罰」についての指導者への意識調査を発表しました。それを受けて、朝日新聞では「体罰」についての特集記事を集中的に掲載しています。


 「体罰」を受けた野球部員が指導者になって「体罰」をおこなう側に回る「暴力の連鎖」が進んでいることや、生徒や保護者の側も「体罰」に対する感覚が麻痺していることなど、いくつかの要因が重なって「体罰」がはびこっているということが、記事を読んでの実感です。
 野球は競技人口の多さや社会的注目度の高さから、不祥事も含めて競技界の動向は他競技と比較して目立ちがちになりますが、「体罰」の問題は決して野球独自の問題ではありません。
 スポーツ現場での「体罰」問題は多くの競技に共通しています。私が把握している例だけでも、野球のほかにサッカー・バレーボール・バスケットボール・ラグビー・卓球・陸上競技・柔道・剣道・カヌーなど、あらゆる競技で、また学校の部活動・地域のスポーツクラブ問わず、「体罰」事件が発生しています。
 「体罰」は単なる暴力に過ぎません。「体罰」が人間性の向上につながるという科学的な証明はありません。むしろ、暴力を肯定・正当化するだけの作用しかもたらさないというのが、教育学や心理学などの見地です。暴力肯定・正当化は、現代社会にはなじまない考え方です。
 「体罰」は廃絶されるべきで、指導者の自己変革も強く求められています。暴力を使わない「言葉による指導(当然のことながら人格を否定するような暴言は論外で、普通の言葉での指導という意味)」が重要になってきます。