東京・江戸川区の児童虐待死事件:関係機関の連携不十分か

 東京都江戸川区の小1男児虐待死事件が大きく報じられています。この事件について、虐待の通報がありながらも区当局や児童の通っていた学校が通報を生かせなかった形になったことが指摘されています。

 児童を治療した歯科医が2009年9月、診療中に児童の顔と足にあざがあることに気づき、「児童に聞いたところ『父親(母親の再婚相手の継父)から殴られた』と答えた」などと江戸川区子ども家庭支援センターに虐待通報をおこないました。その後センターから、児童の通学する江戸川区立松本小学校にも連絡が入りました。
 虐待通報と前後して、児童の欠席が目立つようになっていたということです。虐待の一報を受けた校長らは2009年9月に家庭訪問をおこない、父親は虐待の事実を認めたということです。
 その後も欠席が続きましたが、学校側は当時から「おかしいと思った」としながらも有効な対策をとれず、家庭から欠席理由の連絡があったことを理由にセンターにも連絡していませんでした。担任教諭の家庭訪問では児童に会わせてもらえなかったということです。
 児童は2010年1月23日に意識不明になり、翌24日に死亡しました。司法解剖では虐待で付いたとみられる古い傷も確認され、虐待が長期にわたっていたことがうかがわれます。
 この事件の経過は、2009年4月に発覚した大阪市西淀川区の児童虐待死事件を連想してしまいます。大阪の事件でも、学校が虐待の事実を把握しながら有効な対策をとれませんでした。今回の事件も、虐待をうかがわせるような情報がありながらも適切に対応できなかった結果最悪の結果を招いた形になっています。
 学校側が子ども家庭支援センターに情報を入れて連携体制をとっていれば、違った展開になった可能性が高いことが想像できます。今回の事件を詳細に分析して教訓化し、全国的に同種の事件を再発させないような体制をとらなければなりません。

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