全国いじめ被害者の会、文科相に要請

 「全国いじめ被害者の会」は1月19日、文部科学省にいじめ根絶の要請をおこないました。

 いじめ被害者や保護者らが要請に参加し、いじめの事実を児童生徒が訴えたら迅速に調査すること、いじめ加害者への学校教育法第11条の懲戒を用いた指導などを訴えました。
 一方で文部科学省は「通達を出している」という一般的な見解にとどまっています。
 いじめについてはきわめて悪質な人権侵害であり、迅速な調査と毅然とした指導が求められるのはいうまでもありません。しかし実際には学校がいじめを放置したり、いじめ被害者にも非があるかのような態度をとるなど、とんでもない対応をすることすら珍しくありません。
 中には、長野県丸子実業高校バレーボール部いじめ自殺事件(2005年)のようにいじめが問題化すると加害者側が「自分たちへの人権侵害」呼ばわりして居直る事件や、福岡県筑前町立三輪中学校いじめ自殺事件(2006年)・福岡市立小学校人種差別的いじめ事件(2003年)など学校・教師自らがいじめに加担するような事件すらあります。
 1月25日午前11時半から東京高裁で第4回控訴審弁論がおこなわれる「浦安事件」(千葉県浦安市立高洲小学校教諭が2003年、担任クラスの児童への暴行・わいせつ・虐待を常習的に繰り返した事件)でも、ある意味では加害者教師本人とそれを全面的に擁護する浦安市長はじめ市当局、さらに「マスコミ報道は人権侵害」とする特定の政治的信条から「事件報道は加害者への人権侵害」とすり替えて加害者を支援する自称「人権団体」関係者による、被害者とその関係者への執拗ないじめだといえます。
 一方でいじめ被害者の心の傷はきわめて深いものです。

 要請行動後の記者会見で、いじめを受けた子どもたちが涙ながらに被害の実態を語りました。小学校6年生の女子は「自分がいってないことをいったといわれて、学年中に広められ、悪口をいわれた」といいます。いじめによってひざのじん帯を損傷した中学1年の男子は「けられたり、罵倒(ばとう)されたり。1回だけじゃなく何回も」といじめの実態をのべ、「私の学校は無法地帯。加害児童生徒がいじめなくなるようにしてほしい。被害者の人権をきちんと守ってほしい」と訴えました。
(『しんぶん赤旗』2010年1月20日『“いじめ根絶して” 被害者の会が文科省に要請』より)

 いじめ被害者の人権こそ第一に守らなければなりません。加害者に対して毅然とした対応をとっていかなければなりませんし、いじめ被害者の人権を侵害するような「権利・人権」などありえません。またいじめ加害者を野放しにすることは、被害者を長期的に苦しめるのはもちろん、将来的・長期的にみると別の被害者を生み出すことにもつながりかねません。
 文部科学省がいじめに対して及び腰ではいけません。文部科学省自らが、もっと毅然とした対応をとるべきではないでしょうか。
(参考)
“いじめ根絶して” 被害者の会が文科省に要請(しんぶん赤旗 2010/1/20)

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