高校でのエネルギー問題講演、北海道経産局が講師に内容変更求める

 北海道ニセコ町立ニセコ高校で2017年10月に実施されたエネルギー問題に関する講演に対し、北海道経済産業局が講師に対し、原発問題などに関する講演内容の変更を求めていたことがわかった。

経過

 新聞報道を総合すると、経過はおおむね以下のようになっているという。

 ニセコ高校は2017年度、公益財団法人・日本科学技術振興財団から「エネルギー教育モデル校」に選定された。財団の事業として、経済産業省外局の資源エネルギー庁の委託を受け、同校で専門家による講演を実施することになった。

 講演は2017年10月16日、北海道大学大学院工学研究院の山形さだむ助教が講師となり、「ニセコでエネルギーと環境を考える」と題して、全国とニセコ町のエネルギー全般について説明する内容でおこなわれることになった。

 山形氏は講演に際して、講演内容の資料を事前に高校側に送付した。その翌日に北海道経産局の幹部が山形氏を訪問し、講演内容と資料の修正を求めた。

 北海道経産局は、原子力の発電コストや事故発生時の危険性に関する記述や使用写真について、「特定の見方」「(福島第一原発の水素爆発事故の写真を資料として使用したことについて)印象操作」などとして修正を求めた。

 山形氏は「自然エネルギーが100%安全というわけではない」など元の資料を補強する形での修正はおこなったが、原発に関する部分については、求められた形での修正はおこなわなかったという。

教育介入では?という疑問

 この問題では、北海道経産局による教育への介入ではないかという批判・疑問が指摘されている。ニセコ町ではこの問題に関する住民説明会が複数回開催され、また教育介入ではないかと批判する町議会での議会質問もおこなわれたという。

 北海道経産局はこの批判については、「事業の目的に沿って実施するための対応だった。原発のデメリットを一方的に決めつけ、メリットを説明しないのは問題。教育への介入ではない」(毎日新聞)と話している。その一方で毎日新聞の記事では「同局が事前に内容の修正を求める例は多くないという」「講師を訪ねて内容変更を迫ったのは異例」とも指摘している。

 原発の「デメリット」に触れるのは政府方針と異なると見なしたから、講演内容に介入したのではないか――そう疑われても仕方がないといえるような経過となっている。

(参考)
◎大学助教の原発説明に修正要求 北海道経産局、高校での講演に(共同通信 2018/4/5)
◎北海道経産局幹部 原発記述の修正要求 ニセコ高の講演に(毎日新聞 2018/4/5)
◎経産局、ニセコ高の原発講演に修正要求 不当介入と批判(北海道新聞 2018/4/5)