虐待対応で「親権制限」を検討:法務省研究会

 法務省の「児童虐待防止のための親権制度研究会」が2010年1月にもまとめる報告書で、児童虐待が発覚した際に親権の一時停止を可能にするよう検討していることが、2009年12月30日までにわかりました。

 虐待のため児童養護施設で保護された児童について、親が親権を主張して連れ戻そうとするケースがあとを絶たないということです。
 現行法でも必要な場合には家庭裁判所への請求で親権を喪失させることは可能です。しかし現行法での親権喪失宣告では、いったん喪失させた親権を回復させるのは困難でその後の親子関係にも大きな影響を与えかねないことや、家庭裁判所での手続きに時間がかかるなどの問題点が指摘されてきました。
 そのため必要な場合の親権の一時停止や、問題点解決後の親権回復を容易にするなどの法整備の必要性が指摘されてきました。民法と児童福祉法の関係条文を改正することで、親権一時停止を可能にすることを目指しています。
 児童虐待の問題は深刻です。法改正などでここ数年は対策が強化されたとはいえども、それでもなお「救済が必要な児童に対して、結果的に救済の手をさしのべることができなかった」という例も相次いでいます。
 理論的には児童養護施設側の「濫用」の可能性を心配する意見もあるかもしれません。一方で、あからさまな児童虐待事案に対して毅然とした措置をとり子どもの人権を守るという限りにおいては、親権一時停止などの措置も視野に入れることはありえるのではないかと感じます。
(参考)
虐待防止で親権制限 法務省研究会が報告へ(共同通信 2009/12/31)

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