埼玉県立高校柔道部重体事故:東京高裁で逆転勝訴判決

 埼玉県立越谷総合技術高校の柔道部合宿で2002年7月、当時1年生だった女子生徒(現在23歳)が練習中に意識不明の重体になった事故の民事訴訟で、東京高裁は12月17日、指導教員の注意義務違反を認め埼玉県に約1億7百万円の損害賠償を命じる判決を出しました。

 一審さいたま地裁(2008年3月)では原告側の請求が棄却されたので、逆転判決の形になりました。
 報道などによると、柔道部合宿に参加していた生徒は合宿2日目の練習で頭部を打ち、それ以降頭痛など体調不良を訴えて練習を休んでいました。合宿最終日となった事故当日に顧問の女性教諭から「最後だから練習に参加してみないか」などと声をかけられ、練習中に教諭が技をかけた直後に意識不明になりました。生徒は急性硬膜下血腫を発症し、意識不明の状態が続いているということです。
 高裁判決では「(原告生徒は)事故の3日前から頭痛や嘔吐、食欲不振などを訴え、明らかに体調が悪化していた」などと指摘し、顧問の行動についても「医師の診察を受けさせることなどをせず、逆に練習に参加させたのは著しい注意義務違反」と指摘しています。
 学校側の過失責任を認めた判決が出たことは画期的だといえます。埼玉県は上告せず、判決をしっかりと受け止めるべきだと願います。
 一方で、この事故と似たような事故が各地で発生している現状もあります。特に近年は、大きな社会問題になるような柔道部での事故が相次いでいます。同種事故の再発を未然に防いで生徒の安全を高めるためにも、今回の判決が教訓として生かされることも強く願います。

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