児童相談所職員の慢性的人員不足

 児童虐待の相談件数が急増する一方で、対応に当たる職員の慢性的な人員不足が指摘されています。

 『しんぶん赤旗』2009年11月24日付『児童虐待 増える相談 足りぬ人員 1人100件以上担当も』が、大阪府・大阪市の様子をリポートしています。
 記事によると、2009年度上半期の児童虐待の相談件数は、前年比で大阪府(大阪市を除く)では約1.2倍、大阪市では約1.7倍になっているということです。
 通報急増には、4月に発覚して大きく報じられた大阪市西淀川区の小学生虐待死事件などが背景にあるとみられます。
 その一方で対応に当たる児童福祉司の人数は圧倒的に少なく、業務上の過重負担が続いています。増員されたとはいえども過剰負担を改善できるほどではないということです。「いつ倒れてもおかしくない」という声も現場からあがり、またストレスから病気になって配置転換・休職になった職員もいるということです。
 有識者の指摘によると、過去20年間で虐待相談件数は約40倍に増加する一方で、児童福祉司の数は2倍にもなっていないということです。これでは児童福祉司の業務量が20年前に比べると膨大になっていることになります。
 虐待通報や相談の件数が増加することは、虐待を未然に防ぐという意味ではよい傾向なのかもしれません(もちろん、虐待そのものが減少して相談が減少するというのが一番ですが)。しかし対応体制が追いついていないというのは問題でしょう。
 大阪府では職員を増加させ、また大阪市でも児童相談所を拡充する形で改組する予定になっていますが、もっと抜本的な対策の必要があるのかもしれません。