中学校・高校柔道での死亡事故:25年間で110件

 愛知教育大学教育学部の内田良講師(教育社会学)が近く発表する論文によると、中学校・高校での柔道での死亡事故は1983年から2007年までの25年間で110件あったことがわかりました。事故の大半は部活動で発生しています。


 論文のデータは、横浜市立奈良中学校柔道部暴行事件での不起訴不当申立(2009年10月30日)の際の資料としても活用されたということです。
 速報値としてのデータ「学校におけるスポーツ事故:特集 柔道事故」が、内田講師のサイト「学校リスク研究所」で公表されています。
 25年間で110件ということは、計算上は平均すると約3ヶ月弱に1回は日本のどこかの学校で死亡事故が起きていることになります。
 大きくマスコミ報道された事件・事故だけでも、滋賀県愛荘町立秦荘中学校の死亡事件(2009年7月)や兵庫県神戸市立御影中学校の死亡事件(2005年8月)などがありました。
 上記資料のデータには含まれていませんが、被害者が一命を取り留めた事件では、福島県須賀川市立第一中学校事件や横浜市立奈良中学校事件のように重大な後遺症が残ったものも何件もあります。
 中には事故というより意図的な事件が疑われるものすらあります。上記で例示したものは、御影中学校事件以外の3件はいずれも指導者の教員もしくは上級生が「指導」を装った暴行・私的制裁を加えた(もしくはその疑いが高いとみられる)結果大けがをし、死亡ないしは重篤な後遺症発症に至ったものです。御影中学校事件についても、体調不良の兆候を示している生徒を放置したうえ「さぼっている」などとして暴力を加え、生徒が熱中症で死亡したものです。
 さて、これらのデータから何を読みとり、何を教訓として生かさなければならないのでしょうか。事故防止のためには、過去に起こった事故から教訓を導き出していくことが重要になります。