須賀川一中柔道部事件:福島県に賠償金負担求める方針

 福島県須賀川市立第一中学校柔道部暴行事件での賠償金負担について、須賀川市は10月26日、福島県に賠償金の半額負担を求める方針を明らかにしました。


 一審福島地裁判決では福島県と須賀川市・加害者が連帯して賠償を支払うことになっていました。須賀川市が立て替える形で一旦全額を被害者に支払いました。その後具体的な負担割合を決めたのちに須賀川市から福島県と加害者に相当額を請求することにしています。
 その一方で福島県は、郡山市立中学校「体罰」賠償金訴訟で「被害者への賠償金は全額市の負担とする」(※)とした最高裁判決が出たことで、須賀川事件での賠償も拒否する意向を示しています。
(※)厳密には、「福島県と郡山市が連帯して被害者に賠償を支払う一審判決が出た。控訴審で争われていたが、被害者と郡山市の和解が成立した。一方で福島県は被害者との和解を拒否した。そのため県の賠償責任のみが残り、福島県が賠償金を全額負担した。福島県は賠償金相当額を市に全額請求した」という経過をたどっています。正確には「県が支払った賠償金相当額を、市から県に賠償せよ」という判決ですが、結果的に「市町村立学校で起こった事件について、教諭人事や給与負担を担当する都道府県に被害者への賠償責任はない。賠償は全額市町村が支払うべき」というのと事実上同じ意味になります。
 この問題については、市の求償審査委員会が2009年10月19日、「委員会としては県と市の負担割合は平等にすべきと判断するが、郡山市立中学校賠償金訴訟の結果を待つ」とする見解を出していました。市の委員会が見解を出した直後の2009年10月23日に、賠償金訴訟の最高裁判決が出ています。
 市側は最高裁判決をふまえながらも、「平等に負担すべきと考える」という姿勢を崩していません。最高裁判決は今後の先例にもなり得るものですが、それでも県に責任がないとするのはおかしいといえます。
 福島県は郡山賠償金訴訟の最高裁判決を盾に強気の姿勢に出ることが予想されますが、市側が求償をおこなうのは当然だといえます。