「体罰」賠償金なすりつけ訴訟:最高裁で確定

 福島県郡山市立行健中学校で2001年に発生した「体罰」事件をめぐり、賠償金の支払いをめぐって福島県と郡山市が対立していた訴訟で、最高裁第2小法廷は10月23日、二審判決を支持して全額郡山市が支払うよう命じる判決を出しました。


 事件の経過は少し込み入ったものとなっています。まず事件そのものの被害について、被害生徒が福島県や郡山市を相手取って損害賠償を求める訴訟を起こしました。生徒が起こした訴訟では2004年7月の一審福島地裁郡山支部判決で、福島県と郡山市が連帯して賠償金50万円を支払う判決が出ました。
 その後二審仙台高裁で2004年10月、生徒と郡山市とは和解が成立しました。その一方で福島県との和解は決裂し、裁判上の手続きで福島県の賠償責任だけが残り、福島県が全額賠償することになりました。
 福島県は賠償金を生徒に支払ったものの、支払った賠償金の全額補償を求めて2006年2月に郡山市を提訴しました。この訴訟の一審福島地裁判決(2007年10月)では賠償責任は福島県と郡山市の両方にあるとし、郡山市の賠償負担額は3分の2と算定し、郡山市に39万円の賠償を命じる判決を出しました。
 福島県がこれを不服として控訴しました。二審仙台高裁は2008年3月、全額郡山市の負担とする逆転判決を出しました。郡山市は「一審判決が妥当」として上告しました。今回の最高裁判決は、郡山市の上告を棄却したものです。
 俗な言葉で言えば福島県の「ごね得」「騒いだもの勝ち」だといえます。具体的な負担割合はともかくとしても、県と市の両方にそれなりの管理責任があることは常識的に考えて疑う余地がないように思われます。おかしな判決です。
 しかも50万円のためにそれ以上の裁判費用をつぎ込んでいることは容易に予想されるわけで、その意味でも無駄な訴訟だといえます。訴訟自体が無駄な上、判決も最悪の結果というのは、何ということでしょうか。