全国学力テスト:順位公表に配慮を

 小坂憲次文科相は6月2日、衆議院教育基本法特別委員会で、全国学力テストについて「学校別に順位を付け公表するようなことをさせるつもりはない」などと発言し、順位公表が学校間序列化につながらないように配慮する考えを示したということです。

学校別順位公表は慎重に 全国学力テストで文科相〔『共同通信』2006/6/2〕
 小坂憲次文部科学相は2日午後の衆院教育基本法特別委員会で、2007年度から実施する全国的な学力テストの結果について「学校別に順位を付け公表するようなことをさせるつもりはない」と述べ、自治体が学校別に公表し、序列化につながることのないよう配慮を求める考えを示した。全国的な学力テストは小学6年と中学3年を対象に国語と算数・数学の2教科で実施し、学習習慣と学力の関係などの調査も行う。
 文科省の専門家会議の最終報告によると、同省による調査結果の公表は都道府県単位までだが、市町村自らの公表については「序列化や過度な競争をあおらない工夫を求める」とした上で「それぞれの判断に委ねる」としている。

 学力テストを実施するにしても、結果は生徒の学習状況や学力状況を把握し、生徒や教師・学校自身にフィードバックしていくのみに使用されるべきだと考えられます。
 他者との過剰な競争は、望ましくない結果を生み出すことにつながりかねません。実際に1960年代に導入された全国学力テストは、学校間・地域間の過剰な学力競争などの弊害が出て廃止されたという経緯があるということです。
 学力テストそのものは頭ごなしに否定するというわけにはいきませんが、具体的な実施方法や結果の活用方法については丁寧に検討されなければいけないでしょう。
 実施するかどうかは各教育委員会や各学校の自主的な判断を尊重すること、実施するにしても結果をその学校の教育活動に還元する方法をとること、学校間序列化につながるような成績公表のやり方はしないこと、などが重要になってくると思われます。また結果については、一般的な情報公開とは全く異なる性質である以上、学校別の成績はその学校の関係者のみへの開示で十分だという気がします。