大阪市も特別支援教育費補助金取り消し:森友学園・塚本幼稚園

 大阪市は4月17日、学校法人森友学園が運営する塚本幼稚園(大阪市淀川区)への大阪市特別支援教育費補助金制度について、交付金の申請内容に不備があるとして、2016年度の補助金約180万円分の交付を取り消すと発表した。

 この問題をめぐっては、元園児の保護者が大阪市に情報公開請求をおこなったところ、「開示された診断書が、自分が園に提出した診断書の内容と異なっている」「手続きには保護者の同意が必要となっているが、申請の同意をしたことはない」という指摘がされていた。

 大阪市は塚本幼稚園に対して、保護者からの同意書の提出を求めた。しかし期限までに提出がなかったことから、交付申請手続きに不備があると判断した。

 塚本幼稚園に対する市の補助金は、2014年度・15年度分についても計920万円が支給されているが、大阪市は過年度分についても実態を調査するとしている。

 なお塚本幼稚園の特別支援教育費補助金については、大阪府の同種補助金についても、同様の疑惑が大阪府議会の議会質問で指摘された。大阪府でも調査したものの、手続き内容が確認できないとして、交付しないことがすでに決まっている。

 塚本幼稚園は書類上は「人数・在籍園児に対する割合とも、ほかの私立幼稚園より突出して要支援児を受け入れていた」ことになっていた。そのことで、大阪府・大阪市とも、特別支援教育費補助金の交付額が突出していた。

 一方で「要支援児には特別な援助ができないと、園から通告された」「退園を迫られた」などの証言もあった。

 虐待疑惑や教職員の不足なども指摘された幼稚園で、要支援児を積極的に受け入れるなど、通常は考えにくい。

 大阪市については、維新市政のもとで、市独自の特別支援教育費補助金制度や、要支援児を積極的に受け入れる私立幼稚園の指定をおこなってきた。一方でこれは市立幼稚園つぶしと一体で、市立幼稚園での要支援児受け入れの代替策として、私立幼稚園の受け入れ体制を充実させるとしたものである。

 現状でも市立幼稚園の数が少なく私立が主力になっていることから、個々の私立幼稚園で要支援児を受け入れる体制を作ることや、公的に必要な援助をすることは、重要なことではある。その一方で、維新流の「何でもかんでも民営化、公立学校の縮小」「私学経営者利権」の側面が、最悪の形で現れたことになっている。

 幼稚園側が手続きの際、不備や不正などの行為をおこなった疑いが高い。疑惑については、詳細な事実解明と、明らかになった事実をもとにして必要な措置がとられるべきであることは言うまでもない。

 しかし行政側についても、単純に「おかしな経営者にだまされた」という対応では済まない。大阪市や大阪府、さらにはその背景にある維新政治がこのような事態を呼び込み、しかも長期間気づけなかった要因にもなったのではないか。

(参考)
◎森友運営の幼稚園、交付金取り消し…申請に不備(読売新聞 2017/4/17)
◎<森友学園>幼稚園への交付金取り消し 16年度分、大阪市(毎日新聞 2017/4/17)

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