北九州市立青葉小学校自殺事件:「体罰」と自殺との因果関係認める

 福岡県北九州市若松区の北九州市立青葉小学校5年生だった男子児童が担任教諭から「体罰」を受けた直後に自殺した問題について両親が北九州市などを訴えていた訴訟で、福岡地裁小倉支部は10月1日、担任の行為を「体罰」と認定し、また自殺と「体罰」との因果関係も認定して約880万円の損害賠償を命じる判決を出しました。


 事件は2006年3月16日に発生しました。「男子児童(以下Aくんと表記)が教室で新聞紙を棒状に丸めて振り回し、別の女子児童にぶつかった」と聞いた担任の女性教諭(事件直後に依願退職)は、事実関係を確認せずにAくんを叱責し、腕をねじり上げるなどしながら怒鳴りつけるなどしました。その直後にAくんは教室を飛び出し、再び戻ってきた際に教諭は「なぜ戻ってきた」などと発言したということです。Aくんはその直後に再び教室を飛び出し、自宅で首吊り自殺しました。さらに遺族は、担任教諭からの日常的な「体罰」があったと主張していました。
 一方で北九州市教育委員会は「体罰」の事実関係を否定し続けました。
 判決では教諭の行為を「体罰」と認め、自殺も「体罰」が原因としました。
 一方でこの訴訟では、原告側が独立行政法人日本スポーツ振興センターに対して「学校災害として申請をしたのに、センター側は北九州市からの報告を元に死亡見舞金を支給しなかった」として、見舞金を支給するよう求めた訴訟も併合審理されていました。こちらについては、日本スポーツ振興センターに満額の2800万円の支給を命じています。
 第一報的な報道の範囲でしかわからないこともありますが、報道を読む限り遺族側の勝訴と判断してよいのではないかと思われます。遺族側の主張は当然だといえるのですが、そんな当然のことですら訴訟に持ち込まれなければならない、自殺による悲しみに加えてその後も精神的・経済的な負担を長期にわたって負わされるというのも悲しいことです。
 北九州市に対しては、判決を受け入れ控訴しないことを求めます。