全国学力テスト:競争と序列化の実態訴える国会質問

 4月14日の衆議院文部科学委員会で、全国学力テストの問題が取り上げられた。

 全国学力テストは2007年度の導入から11年目となり、2017年度は4月18日に実施予定となっている。

 大平喜信衆議院議員(日本共産党)の質疑では、全国学力テストの結果公表によって、平均正答率や順位を教育施策の尺度として扱うことで、過度の競争と序列化が生じている実態が告発された。

 青森県では校長会での席順が全国学力テストの学校別平均正答率順にされていることや、学校ごとの成績一覧資料が渡されていることが指摘された。

 岡山県では県の重点政策で、全国学力テストの順位を全国10位以内にすることを目標とし、頑張る学校校区には100万円の補助金支給や、県独自の学力テストの導入などが実施されていることが指摘された。

 テスト直前に過去問を解かせて学力テスト対策をおこなっている学校があることが指摘された。6年生に進級してから4月下旬の試験日まで、6年生の新しい教科書を使わずに前年度の復習とテスト対策をおこなわせている事例もあったという。島根県では4割の小中学校が通常の授業時間をつぶしてテスト対策をおこなっていた。

 文部科学省はこれらの指摘に対して、「序列化や過度の競争を招いているものではない」とする答弁を繰り返した。

 しかし、指摘された実態は「序列化や過度の競争」そのものではないか。国会質疑で挙げられた事例は一部にすぎず、テストの平均点や順位を学力のすべてかのように扱い、過度に絶対視する風潮も強まっている。

 そもそも全国学力テストは2004年、当時の小泉純一郎内閣・中山成彬文科相により、各学校の競争と序列化を目指して導入が提起された経緯がある。一方で国会や市民運動の中から、競争と序列化はふさわしくないという世論があがり、政府・文科省も競争と序列化にならないようにという名目を表向き掲げることになった経緯がある。

 導入の背景からして競争と序列化の風潮は避けられない。導入から10年たったが、この間にも文科省が公表の範囲を広げようとしたり自治体の判断に委ねるとして骨抜きにすることや、各自治体が平均点や順位にばかりこだわった対策を図ること、報道などでも「自分の県は何位か、平均点より上か下か」という視点での扱いがされることなど、各自治体でも県独自の統一学力テストを実施して成績公表するなど、競争と序列化をねらう動きは常にうごめいている。

 やはり、今のような形での全国学力テストは、中止すべきではないか。