大阪府「君が代」条例:毎日新聞が特集記事

 大阪府の「君が代」条例について、毎日新聞2017年4月12日付(大阪夕刊)が特集記事『特集ワイド・ニュースアップ 大阪「君が代条例」のその後 「思想・良心の自由」揺れ続け=編集局・湯谷茂樹』を出している。

 入学式や卒業式で教職員への「君が代」起立斉唱など義務づける条例は、当時の橋下徹大阪府知事・大阪維新の会代表のもと、2011年5月に橋下が維新に条例作成を指示して府議会に提出され、同年6月に可決成立した。同種の条例は、大阪府が全国初となる。

 教職員組合では不起立は組織的な方針として掲げていないものの、個人として不起立の判断をした教職員も存在する。『毎日新聞』では不起立の理由について、以下のように紹介している。

「天皇をたたえる歌で、教育勅語などとともに、子どもたちを天皇の兵士として戦争に動員した歴史がある」、「府教委も掲げてきた『多様な民族の歴史と文化を尊重する教育』と相いれない」、「キリスト者として天皇崇拝の歌は歌えない」といったそれぞれの理由からの不起立だが、強権的な手法への憤りは共通している。

 不起立については、東京都での被処分者の訴訟などで、停職などは重すぎるとする一方で、処分そのものは裁量権の範囲内とする法的判断が多数出ている。

 その一方で、大阪府では「君が代」被処分者について、定年退職後の再任用を拒否する動きも出ている。

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 「君が代」に対する考え方が教職員としての資質を左右するとはとうてい思えない。仮に暴力や犯罪などの肯定や実践ならば問題になりうるのだろうが、「君が代」そのものに否定的というだけで、また少なくとも斉唱強制に否定的というだけで、犯罪などと同列に扱われるいわれはないといえる。

 しかも歴史的な背景、思想信条の問題などもあり、特に慎重に扱わなければならないものである。強制と教職員締め付けの道具として悪用することなど、本来あってはいけないことではないか。

 大阪府の対応は、改善していかなければならないものだといえる。