稲田防衛相「教育勅語には現代に通用する価値観もある」

 稲田朋美防衛相は4月11日の記者会見で、教育勅語について「私自身としては、親孝行とか、夫婦仲よくとか、友達との信頼関係とか、現代でも通用するような価値観というものはあると申し上げている」とする見解を述べた。

 一方で安倍内閣の方針に沿って、教育勅語を唯一の教育方針として取り扱うことは不適切とも言及した。

 教育勅語について稲田防衛相は2017年3月の国会答弁で、「親孝行や友達を大切にするといった核の部分は今も大切だ」などと言及していた。

稲田防衛相:教育勅語を「道義国家を目指す」「全く誤りというのは違う」
 稲田朋美防衛相は3月8日の参議院予算委員会で教育勅語への認識について問われ、「勅語の精神は親孝行、友達を大切にする、夫婦仲良くする、高い倫...

 また森友学園の問題に関連して、稲田氏は2006年10月、「森友学園が運営する塚本幼稚園(大阪市淀川区)と系列の南港さくら幼稚園(開成幼稚園に改称後2014年度より休園、大阪市住之江区)で教育勅語を暗唱させている」とする新聞報道を受けて文科省が「教育勅語は適当ではない」とコメントしたことに対して、文科省の対応を批判するような見解を雑誌で出していた。

稲田朋美HPより  いったいなぜ、この連中はこうも平気で嘘をつくことができるのか。学校法人森友学園問題で籠池泰典理事長と面識がないなどと弁明していた安倍首相の嘘&

 教育勅語については、徳目の部分だけ切り出して肯定するような主張もみられる。稲田氏の主張はそういった主張の典型である。

 しかしそれらの徳目はすべて、非常時には天皇のために命を投げ出せということにつながり、そのために備えよというものになっている。またそれを忠実に実行するのが良いとされる価値体系であり、またこれらのことは時代や国を超えた永久不変のものだとも主張している。このような背景のあるものを、いくら徳目だけ切り出しても肯定しようがない。

 日本国憲法と教育基本法の下で失効・排除が確認されていて、歴史学習の史料としての扱いしかできない教育勅語を、徳目だけ切り出して、現在でも普遍的に通じる道徳教材扱いで持ち出すことも誤りである。

 市民社会で大多数の共通理解となっているような道徳を扱うのならば、徳目の刷り込みでなく児童・生徒が自主的に考え内面化することを目指す扱いにする前提になるが、教育勅語などわざわざ持ち出す必要はなく、別の教材でも十分に対応可能ではないか。

 教育勅語を明確に否定せず、記されている徳目には普遍的なものも含まれているとして、場合によっては道徳教育の教材に使えるような扱いをするような安倍内閣の姿勢は、教育勅語の復活につながるのではないかという不安を感じる。

(参考)
◎防衛相「教育勅語には現代でも通用する価値観 」(NHKニュース 2017/4/11)