横浜市、学校選択制検討へ

 横浜市で学校選択制の本格導入の是非が検討されるということです。


 横浜市では2005年に特認校制度を導入して通学区域を一部弾力化しました。さらに2010年度入学者について、特色ある教育をおこなう10小中学校について、通学区域外からの児童・生徒を募集しています。
 横浜市教育委員会が9月中にも設置する検討委員会では、学校選択制をすべての学校に広げ、行政区など市が指定した一定地域について地域内の複数校から自由選択できるようにする「ブロック制」などが検討される見通しだということです。
 学校選択制では特色ある教育が実施されるなどとうたわれています。しかし実際には「地域の噂」程度のあやふやな内容で人気校・不人気校の別ができ、人気校では希望者が集中して学校設備の過密化を招いて教育条件が低下する、逆に不人気校では入学者が少なくなった結果教育活動にも支障が出て教育条件が低下するなど、いずれにしても教育条件の低下を招く結果になっています。
 学校選択制を一度導入した自治体でも、問題点が明らかになったとして学校選択制を撤廃したり縮小したりする例も相次いでいます。
 群馬県前橋市では、「学校と地域との関係が希薄化した」「各学校ごとの生徒数の偏りが生まれるなどの弊害が生まれた」などとして、一度導入した学校選択制を2011年度より廃止することにしました。
 神奈川県逗子市では学校選択制によって、校舎を新築したばかりなどの条件がある特定の小学校に入学希望者が集中しました。結果、その小学校は児童数の急増で過密傾向となって教室が不足し、通学区域外からの受け入れを中止するというケースがありました。将来的には学校選択制自体の見直しも視野に入れるということです。
 長崎市立中学校でも学校選択制の導入により、坂の上にある学校など立地条件の悪い学校への入学者が減少するなど生徒数に偏りが出る傾向がみられました。このため、原則廃止とする方向での学校選択制見直しを検討しています。
 ほかの自治体で学校選択制の弊害が相次いで現れているもと、あえて導入を検討するというのはどうなのでしょうか。仮に導入したところで、望ましくない結果に終わる危険性が高いと判断せざるを得ません。
(参考)
「学校選択制」の是非議論へ/横浜市教委(神奈川新聞 2009/9/15)