前川氏授業:自民党国会議員が文科省に授業内容を照会?

 前川喜平・文部科学省前事務次官が名古屋市立中学校の授業に招聘され、外部講師として講演をおこなったことに対して、文科省が授業内容の報告や録音データの提出を求めた問題で、背後に政治家の影があることが指摘されている。

 毎日新聞2018年3月18日付『前川氏授業 自民議員が照会 文教族、文科省は影響否定』によると、自民党の文教族に属する国会議員が文科省初等中等教育局に対して、当該校の授業内容に関する照会をかけたと指摘されている。

 照会をかけた国会議員の氏名については、記事では明らかにされていない。

 文科省は3月16日の時点では、野党の合同ヒアリングに対して、文科省に対して外部からの問い合わせがあったことは認めたものの、誰からの問い合わせかという点については「差し控える」、文科省から名古屋市教委への問い合わせについては「省としての判断」、政治家の影響の有無については「これから調査する」としていた。

 一方で前川氏本人は、3月17日に別の場所でおこなった講演で、「文科省が自発的にするとは考えにくい。やらせている人がいるのでは」とする見方を示していた。

 文科省に対して自民党議員からの問い合わせがあったのち、文科省として名古屋市教委に照会をかけている。

 一連の経過は、名古屋市教委への問い合わせは、やはり政治家からの圧力ではないかとうかがわれる。

 個別の授業内容について文科省が直接乗り出して調査をかけるなど、教育基本法の規定にも抵触しかねないことで問題であり、教育行政の常識的にも考えられないことである。しかしそのようなことが実際に起こったということは、実務担当者が自主的・自発的におこなったとは考えにくい。

 毎日新聞の記事によると、文科省関係者からは「(名古屋市教委への問い合わせの)メールの質問事項は、官僚の文章には思えない」とする声が上がっているという。「中の人」も違和感を感じるような問い合わせ文面が出されるというのは、やはり異常事態といえるのではないか。