就学援助制度:財政難で認定要件厳しくなる

 『朝日新聞』(web版)2009年9月10日配信『「就学援助」細る自治体 財政難で認定基準を厳格に』によると、義務教育費にかかる就学援助制度について、財政難を背景に認定要件が厳しくなったり、各自治体が制度周知に消極的になっているということです。


 義務教育費は憲法の条文上では無償ということになっています。しかし最高裁が1964年に示した判例では「憲法26条の無償は授業料の無償を意味し、ほかの諸経費の無償までは規定していない。諸経費の負担軽減は望ましいが憲法の規定ではなく立法政策上の問題である(大要。全文は裁判所サイト(pdf))」とされ、行政実務上は最高裁判例の方向ですすめられています。
 この最高裁判決が出されてから教科書は無償となりましたが、ほかの諸経費については自治体の判断にゆだねられています。
 就学援助制度についてもできるだけ拡充するのが望ましいとはいえます。しかし国からの補助金が2005年度に廃止されたことや、自治体の財政難などを背景に、各自治体が消極的になっている実状が浮き彫りになっています。対象者の基準を厳しくした自治体、支給額を引き下げた自治体なども現れているといいます。
 理論上では、諸経費についても無償化ないしは大幅な負担軽減を図ることが望ましいのでしょう。しかし少なくとも、必要としている家庭に必要な対策がとれるように、就学援助制度の抜本的な充実を図っていくことが必要になってくるでしょう。