七生養護学校性教育訴訟:控訴審第1回口頭弁論

 東京都日野市の東京都立七生養護学校(現・東京都立七尾特別支援学校)で2003年、右翼都議や東京都が性教育の実践に介入した問題がありました。この問題で教員や保護者が「教育の自由の侵害」などとして損害賠償を求めた訴訟の控訴審第1回口頭弁論が、9月3日に東京高裁でおこなわれました。


 事件は、古賀俊昭(自民党・日野市)・田代博嗣(自民党・世田谷区)・土屋敬之(民主党・板橋区)の3都議(田代氏は2009年7月東京都議選で落選)が七生養護学校の教育実践を問題視したことに始まります。産経新聞社が右翼都議に同調するキャンペーンを張りました。また東京都教育委員会は当初、七生養護学校の教育実践を評価していましたが、右翼都議の介入を受けて態度を転換させました。
 当時の校長は停職の上降格処分になり、また教職員は厳重注意処分のうえ他校に異動となりました。
 教員や保護者が起こした訴訟では2009年3月、一審東京地裁で原告側の主張の大半を認め、都議3人と東京都に合計210万円の損害賠償を支払いを命じる判決を出しました。一方で産経新聞に対する賠償請求は棄却しています。
 控訴審第1回口頭弁論では、授業のねらいや意義を示した陳述がおこなわれたということです。授業は子どもの実態から出発して組み立てられたことが述べられています。
 右翼都議や東京都、産経新聞の態度はそういう教育的視点は全くありません。性教育の実践自体が気に入らないという政治的な主張・信条のもと、気に入らないものを一方的につぶすという悪意に基づくものだといえます。

(注)授業実践に対して異論などが出ることは、当然ありえます。しかし、それは子どもの実態などを的確に分析するもとで、教職員や保護者、専門家などの意見を交えながら、教育実践のなかで解決すべきものです。今回の問題は、授業実践に対する異論や疑問を教育的に解決するという態度ではありません。

 一審では不十分な点は一部あったものの、「教育介入」という基本的な内容は認められた判決でした。控訴審では、右翼都議や東京都の行為に道理がないということが、一審以上に認定されることを願います。
(参考)
七生養護事件 「学ぶ様子知って」 東京高裁 原告の教諭が陳述(しんぶん赤旗 2009/9/4)
「こころとからだの学習」裁判支援サイト(原告側のサイト)