塚本幼稚園の特別支援教育費補助金疑惑、保護者が「同意書サインしてない」

 大阪市淀川区の塚本幼稚園(学校法人森友学園)で、大阪府が障がいなどの要支援児の在籍数に応じて補助金を出す大阪府私立幼稚園等特別支援教育費補助金を不正受給していた疑いが指摘されている問題。

 元園児の保護者が朝日新聞の取材に応じたとして、同紙web版2017年4月4日配信『森友の補助金不正疑惑 保護者「同意書サインしてない」』に証言が掲載されている。

 この保護者の子どもは、弱視で矯正メガネを使用しているが、教職員などの特別な支援は必要なく、補助対象外だという。

 2015年度・16年度に園から診断書の提出を求められた。特別支援教育費補助金制度では、対象園児の診断書のほか、2016年度より園が対象園児の保護者の同意書をとることになっている。しかしこの保護者は「同意書にはサインしていない」としている。

 保護者が大阪府教育庁に問い合わせると、子どもの分の補助金が支給されていたことが判明した。

 この問題では3月13日の大阪府議会教育常任委員会で、石川多枝大阪府議(共産党)が「塚本幼稚園では、補助金の対象の園児数・割合ともほかの園と比較して突出している。虐待疑惑が指摘されている幼稚園で要支援児の受け入れができるとは考えにくい」と指摘した上で、「制度では保護者の同意書が必要とされているが、同意書は求められたことはない」「幼稚園では、加配の教員など必要な体制がとられていない」「うちでは障がいやアレルギーなどの支援はできないといわれ、退園を迫られた」などと塚本幼稚園の要支援児の保護者から聞いたと指摘する質問をおこなった。

 大阪府の3月31日の幼稚園への立ち入り調査では、学園側は同意書など関連資料について「理事長だった籠池泰典氏が国会での証人喚問に臨むために東京に持って行った」と説明した。大阪府は関連資料を確認できず、引き続き調査するとしている。

 議会質問や立ち入り調査の際の学園側の対応と合わせて、保護者が実名で取材に応じた内容も出てきたことになる。不正疑惑はますます深まったことになるのではないか。

 またこれは、学園側が行政をだましたという単純な構図にはとどまらない。行政側は気づく機会がありながら見逃したのではないかと疑われてもおかしくないような状況もある。

 大阪府の対応が適正だったのか、検証されなければならない。

 私立幼稚園の所管は政令指定都市内に立地しても都道府県が第一の権限をもつが、塚本幼稚園がある大阪市では市として独自に「大阪市要支援児受入促進指定園」を指定し、塚本幼稚園も指定園となっている。2015年度より市として独自に、要支援児への補助金も出している。

 大阪市では、幼児期の特別支援教育の充実を図るため、平成26年度より、特別に支援の必要な幼児の私立幼稚園及び認定こども園(教育標準時間認定)における受入れ促進のための補助制度等を創設し重点的に取り組むこととしています。 「大阪市要支援児受..
(目的)第1条 この要綱は、大阪市補助金等交付規則(平成18年大阪市規則第7号、以下「規則」という。)に定めるもののほか、私立幼稚園及び認定こども園に就園する障がい児等特別に支援の必要な幼児(ただし、認定こども園については、子ども・子育て..

 大阪市に関する内容も、あわせて検証されるべきであろう。