保育所保育指針:「日の丸・君が代」に「親しむ」正式決定

 厚生労働省は3月31日、保育現場で日の丸・君が代に「親しむ」とした「保育所保育指針」を正式に決定した。2018年度に施行する。

 幼稚園教育要領で同様の趣旨が盛り込まれたことに対応して、幼児教育の整合性として、保育所でも導入することにした。

 指針では3歳児以上を対象に、「保育所内外の行事で国旗に親しむ」「国歌、唱歌、わらべうたやわが国の伝統的な遊びに親しむ」ことを求めた。

 一方で保育指針を検討した厚労省の有識者委員会では、複数の委員が「日の丸・君が代に関する議論は一切なかった」と指摘していることが、東京新聞2017年4月1日付『保育所で「国旗国歌」 運営指針決定 委員「議論一切なかった」』で報じられている。

 2017年2月に原案が発表された際のパブリックコメントでは、削除を求める意見や、押しつけにならないようにと慎重な対応を求める意見もあった。原案をそのまま導入したことにもなる。

 有識者のあずかり知らないところで、また慎重な対応を求める意見を放置して、行政サイドの意向で押しつけた形になっている。

 「親しむ」とすると一見すると柔らかい表現にも見える。しかし学校教育分野では事実上強制のような対応がなされていることと、幼児教育の整合性という主張とを重ねると、保育所にも日の丸・君が代が強制されることにもつながってくるのではないか。

 また、教科書検定での道徳教科書への検定意見、次期学習指導要領で中学校保健体育科の武道種目に「銃剣道」を例示したこと、一連の森友学園問題などと根は共通だとも感じる。特定の極右的な考えでの教育の方向性が、幼児教育を通じて保育所にも持ち込まれる恐れもある。