森友問題:大阪府が担当職員の処分検討、松井知事の責任は?

 大阪府教育庁の向井正博教育長は3月27日の定例記者会見で、学校法人森友学園が設置認可を申請した私立小学校「瑞穂の國記念小學院」の審査過程について、大阪府の基準に抵触していた疑いがあるとして当時の担当職員の処分を検討していることを明らかにした。

 豊中市野田町に「瑞穂の國記念小學院」を設置したいと、学園側から2014年10月31日付で認可申請が出された。府の認可基準では借地に校舎を建築してはいけないと規定していたにもかかわらず、借地での校舎建設を前提に審査が進められた。大阪府私学審議会では土地の問題のほか、財務状況・経営への不安や教育課程など各方面から強い疑問が出されて2014年12月に一度保留となったものの、2015年1月の私学審でも疑問が払拭されないまま、条件付き「認可適当」答申が出された。

 また「瑞穂の國記念小學院」の予定地は当時国有地で、学園側が国と借地の交渉中で正式に土地が確保された状況ではなかった。大阪府私学課と近畿財務局が異例の打ち合わせをおこない、「国が学園側と確実に借地契約を結ぶ見込みとなった」としていた。

 大阪府では2016年度に教育行政の改編がおこなわ、私学行政と教育委員会と統合して教育庁に移行し、私学の認可権限も教育庁の長である教育長へと委任された。大阪府での私学行政管轄部署は、2016年度以降は教育庁私学課だが、それ以前は府民文化部私学・大学課(私立学校・府立大学・宗教法人の3分野を担当)で知事部局の管轄だった。2016年3月以前の認可権者は大阪府知事であり、当時の大阪府知事は松井一郎氏である。

 不可解な答申などがおこなわれた背景には、維新やそれに近い政治家と学園側の人脈があるのではないかと指摘されている。具体的には松井知事自身のほか、東徹参議院議員・元大阪府議、中川隆弘大阪府議、村上栄二元大阪市議、市位謙太大阪市議、辻淳子大阪市議(以上、いずれも維新)、畠成章元大阪府議(故人。現役時代は自民所属だが、引退後に維新を支援していた事実が明らかに)といった政治家が、学園側と接点があったと指摘されている。

 一連の森友学園問題は、私学課の職員の独断でできるはずもなく、背景には松井知事や、知事につながる実働部隊の政治家の動きがあったと考えるのが自然なのではないか。

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 担当職員を処分するだけでは、松井知事が職員に責任転嫁することになるだけで、事実の全容にはたどり着けない。

 行政の最高責任者としての知事の動きも、解明しなければならない。

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