教科書検定:小学校道徳教科書の初検定は?

 3月24日に発表された2016年度教科書検定の内容。「特別の教科」となる小学校道徳についての教科書については初めての検定となり、検定内容も報じられている。

 NHKニュースでは、道徳教育の検定内容について、以下のように報じられた。

小学1年生のある教科書では、申請段階では、物語に友達の家のパン屋を登場させていましたが、「国や郷土を愛する態度」などを学ぶという観点で不適切だと意見がつけられ、教科書会社は「パン屋」を「和菓子屋」に修正しました。

これについて、教科書会社は「日本文化であることをわかりやすくするため和菓子屋に修正した」と話しています。

(「道徳」教科書の初検定 8社すべてが一部修正し合格 NHKニュース 2017年3月24日 16時06分)

 物語に登場する「パン屋」が「国や郷土を愛する態度」に合わないとして「和菓子屋」に修正させられるなど、バカバカしい言いがかりとしか思えない内容ではある。パンは日本文化にも根付いていて、あんパンなど日本独自の発明・進化・発展を遂げているものもある。

 ほかにも道徳では「家族愛」についても触れることになっているが、「国が求める家族像と、母子家庭など家族の多様化の現実との間で、記述をどうするかバランスが難しかった」としている教科書会社もあったという。

 政府・文部科学省の考える道徳は、それぞれの徳目について特定のモデルを想定し、それをすり込むという発想が強く現れている。このことは、児童・生徒一人一人が自ら考えて内面を形成していくという発想や、多様な価値観を理解するようにさせる発想などが弱いということにもなる。そのためか、先に引用した「パン屋」の例のような、バカバカしい言いがかりと思えるような内容すら通ってしまっている。

 道徳の教科化自体、教科書を作って特定の徳目モデルにどれだけ近づくかを評価することは避けられないということにはなる。教科書検定の結果が出たことで、政府・文科省の徳育刷り込みのねらいがより生々しい形で浮かび上がったことにもなってしまっている。

スポンサードリンク
スポンサードリンク

シェアする

フォローする