原発事故群馬訴訟、子ども5人への原発避難いじめを認定:前橋地裁

 東京電力福島第一原発事故で福島県から群馬県に避難した住民らが起こした損害賠償訴訟で、3月15日の前橋地裁判決が、原告の子ども5人について、避難者であることを理由に学校でいじめや嫌がらせを受けていたことを認定していたことが3月22日までにわかった。

 前橋地裁判決では、国と東電の賠償責任を認めている。

 5人はいずれも、2011年3月の事故時は15歳未満だった。子どもへのいじめ・嫌がらせについては、▼「気持ち悪い、近づくな。吐き気がする」と書かれたメモをかばんに入れられた。▼避難先から福島県に戻ったある生徒は、中学校で「おまえは避難をしてきたのにまた戻ってきたのか」「逃げて行ったんだろう」といわれた。▼転校した小学校で「貧乏神」などと言われた。▼「福島君」と事故を揶揄するようなあだ名で呼ばれた。――といった内容が指摘された。

 5人のケースについては、いずれもいじめ・嫌がらせによる精神的苦痛が認定された。一方で、うち3人については、慰謝料については「東電がすでに支払った賠償金の額を超えない」として棄却されている。

 児童・生徒への原発避難いじめが裁判の場で認定されたのは、おそらく初めてではないかと思われる。

 原発事故によって避難を余儀なくされたことで、これまでの生活が一変させられた上、いわれなき偏見によっていじめの対象になる事例が相次いでいることは、とんでもないことである。

 もとより、どんな理由や背景があったとしても、いじめそのものが許されないという観点から、早期解決を必要とする案件である。この基本をきちんと踏まえる必要がある。その上で、いじめの被害に遭ったのがたまたま避難者だったというだけでは説明がつかず、避難者だからという理由でいじめに遭ったと思われるケースも目立っている。このことは、非常に気がかりであり、また必要な解決方法がとられなければならないのではないかといえる。

(参考)
◎いじめ、嫌がらせ5人認定=避難者訴訟の子ども原告―前橋地裁判決(時事通信 2017/3/22)
◎原発避難で嫌がらせ、子ども5人が精神的苦痛 地裁認定(朝日新聞 2017/3/22)

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