「菌」発言の教諭を減給処分:新潟市教委

 新潟市教育委員会は3月15日、担任していたクラスの児童を「菌」と呼んだとして、市立小学校の40代の男性教諭を減給1ヶ月の懲戒処分にした。

 問題は2016年11月22日に起きた。教諭は昼休みのノート返却の際、ある児童の名前に「菌」をつけ、「○○菌さん」と呼びかけた。当該児童はショックを受け、しばらく学校に登校できない状態になった。

 当該教諭は「菌の意味とは認識せず、単に名前をもじった愛称だと思っていた」などと話していたという。

 当該児童は東日本大震災・東京電力福島第一原発事故の影響で福島県から避難し、この小学校で学んでいた。児童はかねてから、名前に「菌」をつけて呼ばれるなどのいじめを受けていると担任教諭に訴え、教諭はクラスでの指導をおこなったとされている。

 直前には横浜市での「原発避難事故いじめ」がニュースで取り上げられ、当該児童は「自分も同じだ」と不安が高まっていた。さらに当日は早朝に東日本大震災の余震とみられる大きめの地震が発生し、児童は福島県に残っていた父親と連絡が取れないまま登校していた。これらの不安の上に追い打ちをかけられるような形になったとみられ、児童は担任教諭の発言に強いショックを受けたという。

 児童の保護者は、「授業で原発事故が取り上げられ、この児童が避難体験を発言した直後からいじめが始まった」として、原発事故といじめとの因果関係を疑っているという。しかし学校や教育委員会は、原発事故といじめとの因果関係については断定できないとした。

 教諭は「菌」発言後当該クラスの学級担任から外れ、研修を受けているという。

 重大な案件であり、教諭への処分は当然であろう。しかしその一方で、事実経過については、当該教諭が事件の経過に対して説明した内容が二転三転していることや、教育委員会が原発事故といじめとの因果関係を認定しなかったことなど、不自然な点も目立つ。

 いじめそのものが許されることではないし、教師がいじめに加担するような形になるのは問題外ではある。

 さらに、いじめの背景には原発事故も指摘されている。原発事故が背景にあるとみられるいじめ事案は、最近になって多く報道されているが、「いじめの被害者がたまたま避難者だった」というだけでは説明がつかないほどの内容でいじめが起きていることもうかがわれる。原発事故との因果関係についても、掘り下げて考えなければならない。

(参考)
◎新潟・原発避難いじめ 「菌」と呼んだ教諭を減給処分(毎日新聞 2017/3/16)
◎避難児童の名前に「菌」つけ呼ぶ、担任を減給(読売新聞 2017/3/16)