森友学園「瑞穂の國記念小學院」認可申請取り下げ:「再チャレンジ」意向も

 大阪府豊中市に開設計画の私立小学校「瑞穂の國記念小學院」について、同校を運営する学校法人森友学園は3月10日、学校認可申請を取り下げた。

 認可申請取り下げは同日午後2時におこなわれたという。学園側は午後5時半から塚本幼稚園で籠池泰典理事長が記者会見をおこなった。

 籠池理事長は、マスコミ報道が過熱したことによって学校新設業務ができなくなったなどとして今回の学校設置認可申請は取り下げる意向を示した。その一方で、「日本国のための学校を作りたいという思いは変わらない」として、大阪府になるか他県になるかは未定だが、いずれ機会を見て再挑戦したいとした。また理事長は退任するとしたが、学園の運営には引き続き関与する意向を示した。

 一連の騒動については、「国会での野党の追及やマスコミの報道が過熱したことによって学校新設の業務ができなくなった。国会議員はもっとほかにすることあるのでは。マスコミは取材方法を考えてほしい。私自身や家族、幼稚園に通う園児や保護者への人権侵害ではないか」など、野党やマスコミを批判する姿勢を示した。一方で、塚本幼稚園や系列の「高等森友保育園」など園児への虐待や保護者への嫌がらせ、ヘイトなどといった人権侵害への言及はなかった。

 会見では肝心なところに質問が飛ぶと、同席した籠池理事長の長男が「新左翼の市議が、共産党が、朝日新聞が」どうのこうのなどといわゆる「ネトウヨ」的な発言で遮る場面も見られた。

 鴻池祥肇議員との関係については「鴻池先生のメモがなぜ共産党に渡るのか。自民党と共産党が組むのはおかしい。自民党と共産党は街宣車に一緒に乗っていた」と、まるで大阪維新の会の狂信的な支持者のようなことを話してはぐらかした。

 また「日本教育再生機構」との関係について聞かれると「そんなの別にいいじゃないですか」と遮った。

 会見の内容は、認可申請を取り下げた・再チャレンジしたい・理事長を交代するという3点の新たな事実関係以外は、今までの主張の繰り返しにすぎず、特に目新しいものはなかった。

 森友学園問題は次から次へと新しい問題が掘り起こされ、あちこちに飛び火している。論点は多岐にわたるが、大きく分けると(1)国有地の不明朗な取引問題、(2)学校の「認可適当」答申に至る大阪府の不可解な動き、(3)学園が運営する幼稚園や系列保育所での、教育勅語など時代錯誤教育・虐待・ヘイトなど特異な運営方針。の3つに分類できる。

 幼稚園や保育所での特異な教育・保育の問題については、仮に国有地問題や小学校認可問題がなかったとしても、それ単体でも重大問題になるものである。

 また国有地問題と、大阪府の不可解な「認可適当」答申に至る過程の問題は、一見すると別個の問題だが、大阪府の対応があったから国有地問題が動き出したという因果関係があることが浮かび上がってきた。

 認可申請取り下げで2017年4月の開校を断念したからといっても、一連の問題はこれで終わりというわけではない。

 学校設置の過程では、明らかに無理筋ではないかと思えるようなポイントもいくつもあった。しかし結果的には大阪府や国の対応により、学園側の意向通りになっていた。学校法人理事長一人の力では、大阪府や省庁を動かせるとは考えにくい。大阪府政や国政で、政治家の協力・関与があったとみるのが自然ではないか。

 最後の最後で学園側や大阪府・国にとっての誤算があった。国有地取引金額が非公開になっていたことに気づいた豊中市議や新聞社が調査をかけたことで、一連の森友問題の疑惑が吹き上がる形になった。

 認可申請取り下げにより2017年度の開校がなくなったことは、事件の全容から見れば一つのエピソードでしかない。なぜ、このような無理筋の認可適当答申が出て、無理筋の土地取引がされたのか――その点については解明されていない段階である。

 事件は終わっていない。引き続き、全容の解明が必要である。

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